エルコーレ アマンテ
イタリア語で、「恋するヘラクレス」。
息子を連れて、初めてのオペラ鑑賞。
ルイ14世の結婚を祝うために作られたこの作品は、王の実父だったかもしれないと囁かれるマゼラン枢機卿の発案によるもの。
初恋(?)の相手と引き離され、お国のために政略結婚を余儀なくされた若き王への、ご褒美のようなものだったらしい。
ギリシャ神話の登場人物、強靭なヘラクレスは、ヨーロッパにおいて、独裁政治を行う王を擬えるのによく用いられるらしい。
そしてオペラというもの自体は、イタリアのフィレンツェが発祥の地なのだそうだ。それなのでイタリア語での演目という訳だ。
若き王を驚かせるため、趣向を凝らした機械仕掛けのカラクリが随所に散りばめられたオペラ。3時間もの間、退屈している暇など全くなかった。
ヘラクレス役 (dans la peau d'Hercul) のテノール歌手は至極適役。ヴィーナスを演じた歌姫の妖艶さ。一夜の夢のように美しく幻想的で、目を見張るような舞台仕掛けも盛り沢山。時々くすりと笑わせてくれるユーモアもあり、それはそれは魅力的なオペラだった。
恋は薬
恋は魔法
恋はポワゾン