Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Une nouvelle routine

今日から、毎朝バゲットを買いに行くのを日課にしよう。

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お天気が良ければの話だけれど。

息子の「おうちの学校」を始める前の、ちょうどいい運動になる。

 

近所には、幸運なことに美味しいパンを焼くブーランジュリーが3件ある。アパルトマンの門を出て、まっすぐ向かいの坂道を降りたところに一軒。右手の坂道を下った所にもう一軒。左手からアパルトマンの裏側に回ったところに最後の一軒。その日の気分で道を選ぼう。今朝は息子がこっちと言って右手の坂道を選んだ。

 

みごとに葉を茂らせるリンデン (セイヨウ菩提樹) の大木の下を通った。見上げると、降りかかるシャワーの水滴のように小さな黄緑の蕾が付いている。気を鎮める作用で知られるリンデンのお茶は、パリのカフェでもお馴染みのハーブティーだ。かのプルーストも、そこはかとなく甘い香りのするこのお茶を愛飲したのだとか。

 

因みに私はまだプルーストを読んだことがない。それなのに、すでに好きな本の一冊に数えてしまっている理由は、実家の書棚に重々しく鎮座していた「失われた時を求めて」のタイトルを日々目にして育ったせいだ。積読と言ってしまえばそれまでだけれど、題名だけで充分想像を掻き立てられたものだ。昔、プルーストのお女中さんが書いた本を母に勧められて読み、プルーストという人物にすっかり魅せられてしまった。それ以来、プルースト自身の著書は読まずとも、彼にまつわる本を紐解くことで彼を追いかけてきた。そういう読書の方法があってもいいかなと思う。

 

坂道の下でバゲットを買い、マーチングバンドの先頭でバトンを振っている隊長よろしく手にして歩いた。後ろに従うは息子ひとり。小さな朝のマーチだ。