一変して涼しい日曜日。
近所の教会の前を通ると、人々がミサの後のお喋りに興じていた。こんないつもの日曜の光景が戻ってきたことに安堵する。集会はずっと禁じられていたから、いつもにも増して話が弾んでいる様子で賑やかだ。
ミサと言えばみんな家族総出で参加するものだから、老いも若きも、全てのジェネレーションが混ざっている。敬虔なカトリック信者の家庭は子沢山のケースが多い。立ち話しに花を咲かせる大人達の間を、子供達が、まるで林立する木々の合間を縫うように元気に駆け回っている。
私の横にいた息子がそれを見て、なんだか楽しそうだねえと呟いた。私はというと、ちょうど息子くらいの年の頃にテレビで見ていた「大草原の小さな家」のミサの光景を思い出したりしていた。
個人的には、集団を組むのは得意でない。コミュニティーに属するのも面倒くさいと思ってしまうほうだけれど、お年寄りから赤ちゃんまで、それこそ0歳から100歳まで、ご近所さん同士が集まって和気あいあいとした家族ぐるみのお付き合いは、傍目から眺めていて微笑ましい。個人主義の都会の風景に彩りを添えていた。
それにしても、フランスでのパンデミックが取り敢えず収束した理由は、外出制限が功を成した以外にも、夏のヴァカンスを前に人々の精気がみなぎっているからではないかしらと思う。なにせ、この国の人たちはヴァカンスのために生きているようなものだから。