Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Mes impressions

マルセイユの印象

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郷土料理のブイヤベースは魚のごった煮。その街も負けじと、南の強烈な太陽の元でぐつぐつと沸き返る人のごった煮。まさに、あれこれ放り込んだお鍋の中のような人間模様だ。

 

夜の港を歩いてみたら、ものすごい人出で目が回りそうになった。混沌としている。旅の道中に聞いたラジオでは、この街では今週から屋外でもマスク着用が義務付けられたと報道していたけれど、そんなことは気にしちゃいない。半分くらいの人しか守っていない。半分でも守っていれば、マルセイユにしてはいい方だと人は笑う。でも、太陽を燦燦と浴びているせいで、ここの人間はパリの人達より明らかに機嫌がいい。

 

それにしても色々な表情のある街だ。マルセイユで育ったイザベル曰く、明るい繁華街の一本脇道に逸れると、急に何やら怪しい通りに出たりするそうだ。

 

フランスに居ながら、時々ふとアルジェリアにいるような気分になる。地中海の向こうから吹いてくる風が、かの地の空気を運んでくるのも知れない。

 

歩道には、犬の「地雷」がパリよりたくさん落ちている。足元に気を付けて歩きたし。

 

オリーブオイルを原料とするマルセイユ石鹸の小さな製造場を見学し、いくつかお土産に買って帰った。

サボン・ド・マルセイユ (Savon de Marseille) と名のつくものは、粗悪品が市場に出回らぬように、太陽王ことルイ14世が製造法や原料の規制を設けたのだとか。私はこういう逸話にめっぽう弱い。たちまち買い占めて帰りたくなる。

 

マルセイユに来た主な理由は、夫の昔の友人が住んでいるからなのだけれど、滞在する日にちを伝え間違えたとかで結局彼らには会えなかった。

 

毎日とにかくよく晴れて、ここでは海辺で頂く海の幸と、キリリと冷えたカシ (Cassis) の白ワインがおいしいのだ。