選手交代
新しく炊飯用に注文した鍋が届いた。
これまで使っていた日本製の黒い土鍋とは一変して、フランス製の真っ白な鋳物ホーロー鍋。小ぶりの二合炊きサイズ。蓋が重いので炊飯にピッタリという訳だ。
プロット茸が手に入ったので、さっそくきのこご飯を炊いてみる。とても美味しく出来た。
それにしても、鍋が変わると味も微妙に変化するから不思議だ。土鍋に比べて鋳物鍋で炊くご飯は、一粒一粒が心なしか締まっている気がする。自然とフランス人好みの炊き加減になる。
大事にしていたモノが壊れるのは、実は良い兆しなのだと最近偶然どこかで読んだ。良い変化が現れる前触れなのだと。母と一緒に選んだ愛着のある土鍋の底にヒビが入ってしまったのは、やはり少なからず悲しかったから、そんな言葉にちょっと救われた。持ち主に代わって災難を受けて壊れるのだそうだ。大事にしてもらったお礼に、そうやって持ち主を守るのだと。だから、一難を逃れた持ち主にはその先に良いことが訪れるのだとか。面白い解釈だなと思った。要は、物は受け取りようなのだろう。
さて、真っ白な鍋。マダム・ビアンカと命名しようかしら。
これから毎日のご飯当番。
大役です。よろしく頼みますよ。