Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Plaisir d’hiver

朝の読書

 

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ひょんな方法で読書の時間を見つけた。

週末の朝、いつもは温かいベッドでぐずっているところを、少し早起きしてみた。いつもであれば、起きるや否や台所に直行して、そのまま就業となるのだけれど、今朝は息子の朝食を用意してカウンターに並べた後、お茶を淹れて居間に引き返し、窓辺のソファーに身を沈めてみた。

11月の朝8時はまだ暗い。週末も規則正しく7時半に目が覚める息子は、先にこの指定席に陣取ってマンガをめくっている。本当はママンが朝寝している間にテレビが見たいのだけれど、今朝はもう起きてしまったので、あからさまにがっかりしている様子だ。

 

そんな彼の横で、今朝は日本から届いたばかりの文庫本をのんびりとめくってみた。冷めないうちに時々お茶を啜ることも忘れない。

サイドテーブルに置かれたランプの灯の元、寒い朝、静かな時間、しばしの読書タイム。意外にも邪魔は入らなかった。

 

なかなか明けない冬の朝。その醍醐味を見付けた。冬時間に合わせて、こちらも稼働の時間を少し遅らせればよいのだ。

東の空がようやく明るくなる頃、栞をはさんで本を閉じ、ランプを消して、一日を開始する。それまでは、本を片手に微睡の続きを楽しめばよい。いい時間を見付けた。

 

ちょうどそんな折に、口笛の着信音と共に友人アデルから写真とメッセージが届いた。私がお勧めしていた本を入手したとのこと。子供部屋から漁ってきたらしい緑のモンスターのオモチャと、本の表紙が写っている。ようやく入手した喜びを、両手を挙げてバンザイ姿のモンスターが語っているようで微笑ましい。彼女らしいなと思わずニッコリ。

アデルも今ごろ朝の読書のひと時かしら。