Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Anémone

薔薇を求めて入ったフローリスト。

アネモネを手に店を出た。

聞けば、イタリア産とのこと。

 

f:id:Mihoy:20190215071034j:image

 

繊細でいかにも儚い、

薄いネグリジェのような花びらがふんわりほどけると、

その奥に、したたかにマスカラを厚塗りした、重たいまつ毛がびっしり。

それに縁取られた物憂げな瞳。

うっすらコケティッシュなアイシャドー。

 

ちょうど、

薔薇の花を前にして、当惑する星の王子さまのような気分になる。

 

 

今でもよく覚えている。

子供の頃に読んだギリシャ神話の絵本には、

美青年アドニスの額から流れる血から、美しい紫色のアネモネが咲いていた。

 

そう言えば、あの絵本はどこに行ってしまったのかしら。

 

確かに、

青白く、思わしげで、どこか不健康な美しさのある花だと思う。

 

ところで、パリの庭でもよく見かける秋明菊は、こちらではアネモネの名前で呼ばれているらしい。