Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-06-01 to 1 month

Le carnet de Monsieur D.

今日は息子の学校の今年度最後の登校日。 毎年、最後の授業の日は担任の先生にささやかなカドー (cadeau / プレゼント) を贈ることにしているのだけれど、学級閉鎖や隔日登校といった変則的な状況が続いた今年は、そんな準備もすっかり忘れていた。ところが…

Le bataille des dames

日曜の市長選でパリの現女性市長、マダム・イダルゴが再選された。 先週末は、最終戦に残った3人の市長候補者のディベートがテレビで放映された。3人揃って女性。その上、意図してのことか、司会者も時々コメントを挟むジャーナリストも全て女性という華やか…

Après la messe

一変して涼しい日曜日。 近所の教会の前を通ると、人々がミサの後のお喋りに興じていた。こんないつもの日曜の光景が戻ってきたことに安堵する。集会はずっと禁じられていたから、いつもにも増して話が弾んでいる様子で賑やかだ。 ミサと言えばみんな家族総…

Green sleeves

緑にまつわるあれこれ。 もうすぐ始まるソルド (solde) に先駆けて、vente privée (ヴォント・プリべ / 顧客用先行セール) が始まったので、近所の店で家族と自分用にTシャツを数枚見繕う。家に帰ってそれを買い物袋から出して気が付いた。どれもすべてグリ…

L’éloge de la jupe

夏日の今日は久々に jupe (ジュップ / スカート) を履いてみた。 私にとってスカートは、 女性の履かんスカートなるものを 我も着てみむとて 履くなり という感じだ。いつの頃からか、すっかり縁遠いものの一つとなっている。 料理とお洒落は少し似ている。…

A partir du mardi soir

パリは昨日から気温が急に跳ね上がった。 今日の空は真っ青な快晴で、空気はさらっと乾燥していて、気温はほとんど体温と変わらない。そして、夜は22時を回るまで明るい。 近所に住む友人ギレンヌと夕方に子供連れで会おうと言い合ったはいいけれど、何時に…

Joyeux anniversaire à mon père

6月24日 今日は父の誕生日。 本当は今ごろフランスに居るはずだった父だけれど、件の騒動渦中で旅がキャンセルになってしまった。今年の誕生日は爽やかな初夏のフランスで、と思っていたのが、思惑が外れて結局は梅雨でしっとりの東京に居る。 昔は、人生計…

Bonne fête, papa

日曜は夏至の日だった。 そして日本もフランスも父の日 (fête des pères) であった。 息子は、冷えたビールにおつまみとメッセージカードを添えてパパにおやつを供した。パパは目尻をうんと下げていた。 私は、日本の父に美味しい味噌を送った。連絡すると、…

Trop féminin ?

今日のおやつ。 息子にはちょっと女の子っぽ過ぎたかしらん。 でも、苺という果物が可愛らしいのはママンのせいではありません。 それにしても、果物をあまり食べない男の人が多いのはなぜだろう。息子は今のところ例外だけれど。その調子で、将来フェミニス…

Mon cher piano

飴色のピアノのためのレクイエム 最近になって、息子がようやくクラシック音楽を受け入れてくれるようになったので、子供の頃に私の両親がよく聴いていたモーツアルトのピアノ曲を時々流す。 今日はアパルトマンの庭の剪定の低い機械音が耳障りだったので、…

Dans un café sans touristes

夕方、サンジェルマンデプレに用事があり、ついでに老舗カフェで一休み。 いつもは大勢の観光客で賑わう場所だけれど、現在パリはパリジャンパリジェンヌのもの。それも悪くない。清潔感のある白いワイシャツを開襟にして、その上にラフなジャケットを羽織っ…

Une révolution dans l’armoire

もう決めた。そして簡単に撤回できないよう、ここに宣言しておこう。 過ぎたばかりの先週はまったく公園三昧の日々だった。息子の学校が一日置きにしかないので、体を持て余している彼を動かす必要があったのと、久々に公園が開放されたのと、初夏に向かって…

Les jardins à la française

たまにはベルサイユ宮殿の庭に行こうということになった。 何もない日曜の午後の我が家では、「どうする?どこに行く?」と言い合うのが常で、概して息子は無謀なプランを出すので却下され、夫はどこでもいい派で、大抵は私が何か適当な案を出すことになるの…

Les trois pions solitaires

私達は3人とも転機を迎えているのだと思う。 久々に、仲良し3人組で夜のカフェテラスに集った。前回この顔ぶれで集まったのは確かロックダウンの前、2月の終わり頃。 久々に話たいこと聞きたいことが山とあるの私達なので、席に着いた途端、メニューに目を通…

Tout ce qui est petit est...

人は見た目に惑わされるものらしい。 黄桃のような色合いのバラを見た。 顔を近付けると、甘酸っぱい杏のような、爽やかなレモンシャーベットのような、そんな香りがした。もちろん、そんな筈はないのだけれど。 いつもの散歩より少し先まで足を伸ばしたとこ…

Je suis une collectionneuse

どんどん増えるタネ集めについて。 パンデミック騒動と過ぎ去りしお篭り生活がキッカケとなって、私は、日常生活単位でこの世への眼差しが変わってきた。 どういう経緯なのか話すと長いので端折るけれど、この頃、たとえば果物を食べたり野菜を切ったりして…

La surprise

今日はフランスの 母の日。 2、3日前、息子が台所に来て言った。 次の日曜は何の日か知ってる? 知らないと答えると、嬉しそうに 「フェット・デ・メール (fête des mères / 母の日) だよ!ぼくはね、パパと一緒にママのプチ・デジュネ (朝ごはん) を作って…

Une leçon de Physique-Chimie

それは、息子の化学の宿題をみてやっている時だった。 エネルギーとは何ぞや?という説明の途中に、こんな引用があった。 Rien se pert, rien se crée, tout se transforme 何も失われはしない、何も生まれはしない、すべて変容するだけ エネルギーを生むと…

Le bruit de Paris

パリの音が戻ってきた! パリの音ってどんな音? それはカフェやレストランのテラスの賑わい。 路上に所狭しと並んだテーブルのひしめき。グラスのぶつかる透明な音。フォークとナイフを忙しく交わす金属音。その合間を縫うタバコの煙の音のない音。そして何…

La mer verte

2ヶ月半ぶりに解放された公園を歩く。 朝で、お天気は良く、鳥のさえずりが心地よい。 いつもは短く刈られている芝生が、膝丈まで伸びてまるで緑の海原だ。猫じゃらしに似た涼しげな穂をつけた草が、一斉に風に揺れてさざ波のよう。足の踏み場もないほど育っ…