Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2021-08-01 to 1 month

Les constellations

星座 一見なんの関係性もない点と点を幾つか繋いでみると、思いがけなくある形 (意味) が現れることがある。星と星を繋いで描く星座に少し似ている。 点繋ぎを構成するひとつひとつの点をどのように見付けるのかと言うと、それは努力の賜物であったりもする…

Pourquoi écrire

ひとりごと 今日は「書く」ということについて考える機会を得た。 どうして書きたいと思うのか と言うと、言葉こそ一番自由な表現手段だと思うから。 ダンスも、音楽も、絵画や彫刻もステキな表現手段だけれど、言葉さえあれば何も特別なものを必要としない…

Le début de la fin

晩夏のパリ 南仏からパリに戻り、一番最初に電話をくれたのは、同郷の友ユキさんだった。図書館の下で会おうと約束して、夕方のひと時、夏休みの報告をし合った。 子供達は親戚の家に泊まりに行ったので、8月の一ヶ月間、彼女はフリーな時間を得ていた。自由…

Paris Presto

パリに戻ると、急に時間がなくなるのは何故だろう。 私にとってパリは日常生活の場で、南仏はヴァカンスの場所だから、単にその違いかな?普段、田舎で生活している人は、逆に観光で都会に来ると時間がゆっくりになるのかな? ヴァカンス終了後、仕事や学校…

Sentimental journey

長い長い覚え書き ヴァカンス先からパリに戻る旅は、いつだってちょっとセンチメンタルだ。 南仏からの帰り道は、私と夫と息子の3人に義理の姉アンが加わった。夫は最近作ったメガネの度が合わず、念のため高速道路はアンが終始ハンドルを握ることになった。…

Au revoir l’été

南仏最後の日は、朝から一日大掃除。 荷物を集めてトランクに押し込み、シーツを剥がして洗っては干し(あっという間に乾く)、広い床に掃除機をかけ、家中の埃を払い、床を拭く。庭の長椅子を畳み、ガーデンテーブルをガレージに片付ける。このあたりで12時に…

Sirop de cyprès

糸杉の実のシロップ ゴッホがよく描いた糸杉は、南仏でよく見かける木のひとつ。千年を悠に超え、二千年生きる木もあるのだとか。人間の一生なんて比にならない。 南仏の庭には糸杉の垣根がある。真下から見上げると首が痛くなるほど背が高い。二階建ての家…

Nuit éclairée

月の明るい晩 輪廻転生というシステムを信じるメリットは、未来の世界に無関心ではいられなくなる点ではないかしら。また別の命として生まれ変わるのであれば、明日の世界が悲惨であっては困る訳だから。 新種ウィルスの猛威や、ワクチンパスポート賛否の話…

La paix

朝の時間は平和な時間。 台所の窓からは背の高い糸杉 (cyprès) が見える。その向こうに、白い石灰質の丘が見える。そして、とても静か。 朝の時間はすてきな時間。 不思議なことに、鳥の囀りはほとんど耳にしない。南仏の太陽は強烈なので、彼らは別の場所で…

Dîner sur les sables

砂の上の食事 義理の母を誘い、夕方の海辺に繰り出した。 幅の狭い砂浜は人でびっしり。腹這いだったり、仰向けだったり、思い思いの格好で甲羅干ししている人々の間を縫って歩く。なんとかスペースを見付け出して、肩から提げていたアイスボックスを下ろし…

Les mûres mûres

今朝の朝ごはんは、 家の近くの小径で摘んだクロイチゴ (桑の実)。 ここ数日の猛暑で、しっかり黒々と色付いた。ちょうど朝の果物を切らしていたところだったので、ありがたい。 南仏の家は近所に商店がないので、買い物に出るのは週に一度だけ。車で倉庫の…

La fête de l’Assomption

8月15日、聖母マリアの被昇天祭。 キリストの母、マリア様が天に召された日。一種の母の日のようなものだと勝手に解釈している。 それにしても時々思うのは、敬虔なカトリック信者の人たちは、聖母の処女説を信じているのだろうか?それとも、その辺りは語ら…

La vierge et le taureau

忘れがたき、あの子 先日、サントロペの町で一目惚れしたあの子。 赤いスカートを履いて、長靴下のピッピみたいに左右の靴下の色が違うあの子。牛の背中に乗って微笑んでいた。いや、正確には、牛のツノに捕まって、まるで旗のように軽やかに風にたなびいて…

Canicule dans le Sud

カニキュル 南仏は今日から猛暑 (canicule) を迎える。1週間ほどこの調子が続きそうだ。私達の滞在する家は比較的涼しい山側にあるので、最高気温は34度に留まるけれど、場所によっては40度に達するらしい。 昔、留学中にはじめてパリの猛暑を経験した夏、東…

Plat provençal ?

南仏での食事は、相変わらず手の掛からない料理ばかりに専念している。 なんと言っても、夏はサラダとグリル料理に尽きる。 先日、アレックスとフローランスのところでご馳走になった豪快な茄子のグリルが美味しかったので、家でもさっそく作ることにした。…

Déjeuner suivi par une compétition de pétanque

アレックスとフローランス 普段はリヨンに住んでいるアレックスとフローランスが、南仏のご両親の家に数日滞在しているというので、遊びに行ってお昼をご馳走になった。 私達の滞在する家はイチジク畑に隣接しているけれど、彼らの家は果てしなく続く葡萄畑…

Lys de mer

ごはんを作って、食べて、片付ける以外は何もしない日。 それでも一応、夕暮れ時は隣町のイエール (Hyères) まで海を見に行った。 地中海の水は冷たい。海水浴はせず、ベージュ色の砂浜に横たわってひたすら海を眺める。 隣に座った息子は、一度も目を上げず…

Paradisiaque ?

南仏暮らしは素敵かどうか について 今年の南仏でホッとしている事の一つに、去年のようにオオムカデ (scolopendre) がたくさん出ない事がある。 オオムカデはオバケより怖い。暗がりが好きだったり、水辺が好きだったり、オバケと性質が似ているけれど、オ…

La vie provençale

オリンピックもいよいよ終盤。 テレビ好きな夫は、ヴァカンス中の南仏でも毎日朝から晩までテレビを付けている。オリンピックの年とくれば尚更だ。たまにキッチンに来たかと思うと、今度はラジオを大音量で点ける。あっちからもこっちからも「Tokyo Olympiqu…

C’est toujours très loins

近くて遠い場所 義理の姉ファミリーと一緒に、サントロペへ赴く。 私達の滞在する南仏の家から60キロ辺りに位置する海辺の街。BBことブリジットバルドーの映画で、一躍有名になった場所。 たかだか60キロだというのに、車での移動所要時間は2時間近く。なぜ…

Un coup de fil dans le Sud

南仏に到着した。 パリからの車窓は、麦や向日葵の畑に始まって、草を喰む牛の点在する牧場から葡萄棚へと変化する。やがて松やオリーブの林が広がり、雲ひとつないコバルトの空の下、ジジジという蝉の声がして、開け放った車窓から無花果の畑の乳臭いような…

La porte du Midi

再び、南を目指してひた走る。 高速道路沿いに、Chablis、Vezlay、Chardonnay、Macon とワインの名産地の標識が次々と現れる。ワイン好きは名前を見るだけでそそられてしまうだろう。まるで、運転者に「一杯いかが?」と執拗に勧めているようで、なんだか可…

Bye bye Paris, bonjour Beaune

8月1日、パリを発った。 例年のように、車で南を目指してひた走る。 途中の車窓からは、時々、黄色いハンカチを広げたようなひまわり畑が見える。何千本、何万本というひまわりの花が、コンサートの観衆みたいに、みんな揃ってお日様という名のスターのほう…