友人で画家のアデルと2人で、私のアトリエのささやかな開設祝い。
お祝いをしよう というのは、先日、共通の友人ヨアンの結婚式で久々に再会した時のアデルの案だ。
実はもうアトリエを借り始めて時間が経っているのだけれど、殆ど使っている暇がなかった。
それならば、改めて「オープンセレモニー」をして使い始めればいいじゃない というのが彼女の提案。
なんてすてきなアイディアだろう。
採用させてもらうことにした。
そうと来たら善は急げ。
さっそく、その翌週の金曜の朝、
息子を学校に送った足で急いで近所のスーパーに行き、シャンパンのハーフボトルとグラス2つ、おつまみ用のカシューナッツ、黒オリーブ、パルミエ (パイ生地を使ったハート型のクッキー) などを調達する。
革かばんを提げた通勤客達に混ざって、スーパーのビニール袋を抱えてメトロでアトリエへ。
わずか5㎡ほどの私の小さなアトリエは、中庭に面したアパートの一角で、パリの6区にある。
埃を払い、窓も拭き、卸したての桜色の布巾をテーブルクロスの代わりに広げ、調達してきたものを並べたら、それなりにセレモニーに相応しい雰囲気が出た。
10時半に、待ち合わせの Notre Dame des Champs 駅にアデルを迎えに行く途中、ちょうど具合良く見つけたフローリストで花も買う。
お互いに、小一時間しか時間の取れない私たちは、おしゃべりに花を咲かせつつ、忙しくおつまみを頬張り、急いでシャンパンを空ける。
朝から酔いも入り、映画の早回しのようで、なんだか楽しく可笑しい。
急いで適当に見繕ったシャンパンは、当たりくじを引いたように、ほのかなピンクのロゼで、女の子同士のお祝いにちょうどぴったりだった。
アトリエと、私達のこれからの創作活動に乾杯!!
楽しい時間はあっという間に過ぎて、次回は3月に、今度はアデルのアトリエでもお祝いをしようと決まったところで、時間が来て別れた。
これから春に向かうお楽しみが、ひとつ増えたというものだ。