Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-10-01 to 1 month

Dernière sortie avant l’hivernage

ふらりと出た午後の散歩で偶然行き当たったのは、バルザックの家。 息子の2週間の秋休みが幕を閉じようとしている。それと入れ替わりに、昨夜の大統領の演説で、フランスは再度ロックダウン体制に入ることが明らかになった。明日の金曜から、言うなれば今度…

Ses beaux yeux

顔が半分しか見えないとなると、人の印象も変わるものだ。 相手がよく知っている人であっても、その目の色や形や表情に改めて気付かされたりする。この人はこんな目をしていたんだっけ、と。 初対面の人であれば、あとの半分は想像するしかない。 残りの半分…

L’ère de casanières

本当ならば、来る土曜の夜はピアノ演奏付きお食事会に招かれていた。 ところが今週末からパリは夜間外出禁止令 (couvre-feu) が出たので、お食事会は延期になってしまった。招き主は友人ピエールとアデル夫妻。引っ越したばかりの彼らの新しいアパルトマンで…

L’odeur d’orange dans ma cuisine

ある日ハタと思い付き、その日から集めてはせっせと干している。 息子の朝ごはんのクレモンティーヌ (clémentine 蜜柑)やオレンジの皮。ドレッシングに使ったシトロンの皮。おやつに出したポム (pomme 林檎)、ポワール (poire 梨)の皮。バルコニーにワサワサ…

Cristallisation

結晶のはなし きっと誰にでも、あるふとした言葉がしばらく心に残る経験があると思う。 友人アデルに会ったのは9月の終わりだったけれど、彼女が口にしたある言葉が、ずっと心に引っ掛かって流れていかない。 「アイディアが浮かぶのと、それを形にするのと…

Maurice rice ice

図書館に息子の本を返しに行って、偶然、モーリス・センダックの画集を見かけた。 彼の絵本は、こどもの頃大好きだった。 息子が小さかった頃にも時々読んでやったものだ。 家の中の夜の冒険に誘う「真夜中の台所」とか、クルクルクッキーが食べたくなってし…

L’éloge de l’automne

友人マリーンに、郊外の森にみんなでシャテンヌ拾い (châtaine / 「栗」拾い) に行かないかと誘われた。 枯れ葉の上をそぞろ歩いてお喋りしようという訳だ。結局その日は忙しくて行けなかったけれど、秋らしくて素敵な提案だと思った。 ヴァカンスを過去形に…

Le temps

我が家の壁時計には秒針がない。 それなのに、今夜はトツトツと時を刻む音がする。 そう、毎日続くこの秋の長雨で、夏の間すっかり忘れていた天井の雨漏りが戻ってきたのだ。年季の入った古い建物の多いフランスではよくあること。規則正しく秒を刻むのは、…

Plein de questionnements et la positivité

週末の雨の午後、いつもの3人でカフェに集った。 パリのカフェやレストランは、週明けから再び閉鎖になるかも知れない。感染者の数が再びじわじわと昇りはじめているようだ。それにしては、幸か不幸か全体的に緊張感が薄いのだけれど。 夏休みが終わり、秋…

Pierres précieuses

絵描きのアデルは石を集めている。 貴石ではなく、草入り水晶や、水辺で拾うような石を。まるで物思いに耽っているような、朧げに模様が入っている石が好みのようだ。そこからインスピレーションを得て、墨絵のような詩的な絵を描く。 しとしと雨降りの日、…

A la nuit automnale

子供の頃からなかなか眠らないタイプだ。 入眠には全く時間を要さないのだけれど、夜の時間を何もせずに眠ってしまうのが惜しくてならない。だから、眠たい夜も無理やり起きている事が多い。 日がすっかり短くなり、夜が早く訪れるので、子供が寝静まって家…