Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-07-01 to 1 month

En préparant les poivrons

我らがアパルトマンの隣には、社交好きなアメリカ人女性が住んでいる。 今夜も、バルコニーのテーブルで賑やかにディネ (dîner/ ディナー) を楽しんでいる音が聞こえてくる。招待客は、彼女と同年代、すなわち私達と同年代くらいの男女数人である様子。どう…

La Défense

これもパリの一風景。 パリの西の最果てのラ・デファンスは、東京でいうところの新宿のような場所。ロマンチックなオスマン様式の建物などは見当たらず、ピカピカのガラス張り高層ビルが立ち並ぶオフィス街。 この、普段はまったく縁のない場所に、夏休みの…

Un lieu à soi

本屋に行った。 息子用に注文していた本が届いたので、それを取りに行ったのだけれど、近所にあるこの行きつけの書店はいつも魅力的な本が並んで手招きしていて、一度入るとそう簡単には出られない。小さなラビリンスだ。だいたい、手ぶらで出てこられた試し…

Un voyage dans le temps

川のある街が好きだ。 街の喧騒をよそに、その真ん中をセーヌ川はとうとうと流れる。 息子を連れて河岸をそぞろ歩き、時々止まっては川を眺めながら一休み。ここからは、マリーアントワネットをはじめ、革命時代に王族が幽閉された灰色のコンシエルジュが見…

La chèvre de Monsieur Seguin

待ち合わせ場所に先に着いたキャロリーヌは、ブーケを抱えて立っていた。 庭で摘んだの!と、それを差し出す。あなたたち2人に、と。 お決まりの仲良し3人で夜の集会。私とユキさんは牧歌的な可愛らしいブーケのお礼を言い、しばらくそれを愛で、それから3人…

Musée de l’air et de l’espace

飛行機博物館という所に足を運んでみた。 飛行場の近くにあるその博物館は、アール・デコ調の建物と広大な敷地内に、年代を追って数あまたの飛行機を展示している。壮大な量だ。決して子供騙しではない。 18世期に初めて気球を飛ばすのに成功したのはフラン…

L’été de Totoro

息子の夏休みは、動の日と静の日を交互に組むようにしている。 だから、ミュゼに連れて行った翌日は静の日。特別な事はせず、おうちで過ごす。なんなら家で映画を見る日にしてもいいよと言うと、久しぶりにトトロが観たいと言うので、そうすることにした。 …

Pompéi à Paris

息子を連れてポンペイ展へ。 西暦79年に火山灰に埋もれたこの古代都市の発掘は、実は今だに続けられていて、最近また新たなる発見があったのだとか。例えば、噴火が起こったのは8月とみなされていたが、実は10月であったらしいことが最近明らかになった。当…

Le 14 juillet à Paris

今日はル・キャトーズ・ジュイエ。 日本語で言うところのパリ祭。もしくは、フランス革命記念日。多くのフランス人にとって、夏のヴァカンスのスタートを切る指標となる祝日。 毎年この時期は日本に帰省していたので、今回は息子にとって初めて本国フランス…

Baba au Calvados

ババという名のお菓子がある。 キノコ型のスポンジケーキのようなものを、リキュールやラム酒など燃えるようにアルコール度の高いお酒に浸した、見た目は至ってシンプル、味はこの上なく大人な、しっとりとしたお菓子である。 先日、我が家に来客があった。 …

Taille de guêpe

旅の余韻 その3 ひと昔前のご婦人方は、こんな風におめかしして Trouville の海辺を散歩していたようだ。19世紀後半から20世紀初頭の話だ。なんと優雅な!この時代の人々のエレガントな装いには、いつも感嘆させられる。 鉄道が敷かれ、遠くに移動する足が整…

Pont l’évêque

旅の余韻 その2 私達の乗車したパリ発ノルマンディー行き列車は、お目当ての Trouville に着く途中、数カ所で停車した。その一つにポン・レヴェック駅 (Pont l'évêque) がある。同じ車両に、夏休みのお孫さんを連れた年配のマダムが乗っていて、金髪の活発そ…

Les repas normands ?

旅の余韻 その1 普通、ノルマンディーの海辺と言ったら、食事は海の幸を選ぶのが正解。ずっと以前に足を運んだ時は、私も牡蠣を注文したものだ。ところが、今回は少し勝手が違う。私のプチ・プランスは魚介類をお召し上がりにならないのだ。 どちらにしても…

Free as a bird

昨晩、ノルマンディーからパリに舞い戻った。 3日間の小旅行だったけれど、肌は海辺の日差しをまだ記憶しているし、足の裏はクリーム色の砂浜の感触を覚えている。 魂を海辺に残したまま、体だけ先にとっとと帰って来てしまった感じだ。旅の後、急行列車や飛…

Les coquillages

子供の頃からとても心惹かれるものに、貝がある。 海辺できれいな貝を拾って過ごすのが好きだ。読書にも似ていて、没頭するとすっかり時間を忘れる。内側が桃色だったり、うす紫色だったりする小さな貝を、日がな一日探して歩いて退屈しない。それどころか、…

L’itinéraire

この海辺の町まで来た経緯を少々。 それは、ロックダウンが明け、更に数日後、100Km以上の移動がようやく許可された日のこと。海に行こうと閃いた。息子を連れて、裸足で海辺を歩きに行こう、と。 とっさに頭に浮かんだのは、昔、今の夫とまだ恋人だった頃に…

Normandie

息子と2人で海に来ている。 潮の香り、カモメの鳴き声。 風は涼しく、太陽は暖か。海は穏やか。 息子は私の傍で砂の城を作っている。私はヴァージニアウルフの本を広げる。「波」という題名だ。数行読んだところで息子の「ママ見て!」で注意が逸れる。そし…

Bienvenue au manoir

数日前のことだけれど、友人キャロリーヌの館に仲良し3人組が集まり、お茶を頂いた。 私がふざけて館 (やかた) と呼ぶのは、彼女の家が味のある古い一軒家で、さらに、彼女が本来であればマルキーズ (伯爵夫人) と号の付く由緒ある家系出身の淑女だからある…