Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-04-01 to 1 month

Une collectionneuse

とある家の塀の向こうから降り注ぐように咲く薔薇にお目にかかった。 悩みはイバラのようにふりそそぐ そんな題名の山田かまちの詩集があったけれど、こんな風に大輪のバラがふりそそいでくれたら、ちょっとやそっとの悩みなんて忘れてしまいそうだ。 いつも…

Le papillon de mercredi

今日は水曜日。 昨日も今日も一歩も家から外に出なかった。 毎日家に篭りきりで、その上これとて特別なイベントも無いとなると、今日が何曜日なのかだんだん判らなくなってくる。月曜日は火曜日に至極似ているし、水曜日は木曜や金曜となんら変わりない。夫…

Les iris

もうすぐ5月。 バルコニーのアイリス (iris / 菖) が綺麗に咲いた。 外出を制限されている間に春が来て、桜が咲いて、散って、そしてもうすぐ初夏がやって来ようとしている。 朝、買い物に出ると、ブーランジェリー(パン屋)に長い長い行列ができていた。今日…

Le bon côté des choses

ロックダウン生活にはメリットもある。 例えばそれは、 パリの空気が澄んでいること: 不可能だと思っていたことの多くが、実は可能なのかも知れないと思った。 毎食家族3人で食卓を囲むようになったこと: 普段、食事の時間に家族3人揃うのは週末だけだった。…

Les tomates vertes

野菜はなるべくbio (オーガニック)を手に入れるようにしている。 今日の昼食に頂いたグリーントマトはとびっきり美味しかった。パチンパチンにはちきれそうな鮮度といい、美しい色やフォルムといい、味といい、切ったり調理したりするのがもったいないので、…

Les mots qui sautent aux yeux

偶然は必然? 古い本を整理していたら、語学学校に通っていた頃のフランス語の問題集が出てきた。 手に入れてみたはいいけれど超上級者向きで当時の私には歯が立たず、三日坊主で終わった問題集だ。ロックダウン中の頭の体操にちょうど良いかも?と思い何気…

Mon pays natal

朝方、息子が頭が痛いと訴えた。 熱を測ると微熱があった。 こんなご時世なので少し心配したけれど、水を飲ませて午前中一杯ベッドで休ませたところ、ケロッと治ってしまった。ホッと胸を撫で下ろす。 ところが夜になって寝床に付くとまた少し心細くなったの…

La reprise de l’école

イースターのヴァカンスも今日でおしまい。 相変わらずコンフィヌモン( confinement / ロックダウン) が続く中、明日から「学校に行かない学校」が再開する。明日からママンは毎朝メールボックスを開き、その日息子にさせるべきことをリストアップするのだ。…

Mon rêve

外界に出ず人にも会わず家に篭って過ごしていると、自分が本当に欲しているものの輪郭が少しづつ、でも確実に見えてくる気がする。 ファースティング(断食)は取り込み過ぎた余分なものを出して体をリセットするそうだけれど、「おうち籠り」で人や物との接触…

Une prière

去年の夏に持ち帰った機内誌がテーブルの上に出ているのはどうしたことだろう? と思ったら、 どうやら息子が私の本棚から引っ張り出してきたらしい。 漢字ばっかりで読めもしないくせに。 「これ見てたら、ボク、日本に行きたくなっちゃったよ」と悲しげに…

Les graines pour mon future potager

野菜のタネを買った。 週に一度の買い出しに出たところ、行きつけのビオの店 (オーガニックショップ) で目に付いたので思わず買ってしまった。プランターも土もまだ用意がないどころか、ロックダウン中は園芸ショップなんて一軒も開いていないのだけれど。 …

Les fleurs nocturnes

夜になると芳香を放つ白い花。 前に住んでいた家主がバルコニーに置いていった植木で、その名前さえ知らない。いかにも強靭な容姿で、放っておいてもよく育つ。そして、春になると毎年必ず花を咲かせてくれる。 いく枝か折って家の中に飾ると、部屋中に馥郁…

Une pensée sur l’argent

これからの世界はどんなふうになるのだろう?とこの頃よく考える。 きっと、そう考えている人達は今頃たくさん居るはず。 篭りきりで人と会う事もないので、親しい友達とは時々電話で近況を伝え合うことにしている。 そんな仲間の1人に、旦那さまがお医者さ…

Mon petit écrivain

台所で料理をしていると、「ママ見て!」と息子が一枚の紙を手にやって来た。 学校で使う方眼紙に、何やらつらつらと書き付けてある。料理をする手を休めず、それはなぁに?と聞いてもニヤニヤするだけで答えない。 その代わりに「読んで!」とだけ言って、…

Sans attendre le mois de mai

5月を待たずに藤が吹きこぼれるように咲き始めた。 昨晩の大統領演説で、コンフィヌモン (confinement / ロックダウン) は5月中旬までの延長が明らかになった。世の中がもの凄い勢いで変化してから1ヶ月が経った。あともう1ヶ月はカゴの中の鳥の生活だ。 1ヶ…

Pourquoi

昨日と今日はイースター (復活祭) の祝日。 キリストの再生を祝う、クリスチャンにとっては一年で最も大切な祭典だ。 ラジオを点けると、昨日の深夜に、パリのとある教会で、政府からあらゆる集会の禁止令が出ているにも関わらず、とあるミサが行われたとい…

Une soirée Ella

台所で、夕飯の支度をしながら音楽をかける。 今日はエラ・フィッツジェラルド。惚れ惚れする歌声だ。先日からサマータイムに切り替わったので、窓の外はまだ随分明るい。思わず鼻歌が出る。 そう、見えない敵には、やはり見えないパワーで太刀打ちするに限…

Indispensable à la vie

買い物に出ると、久々に街角のフローリストが開いていた。 1ヶ月ぶりのことである。 何しろ食料品を置く商店以外は全てシャッターを降しているので、フローリストは一際目を引いた。ブーケを求めて店先に人が並んでいる光景は平和で微笑ましい。 家の中で過…

Moïse, le super prof !

今日はモラルについてちょっと思うところがあった。 息子がちょっとしたイタズラをしでかした。 別に大したことではない。彼くらいの年齢のこどもに有りがちなことだと済ませてしまえば、それまでなのだろう。けれども、自分の子供はそれくらいの分別は付い…

The magic box

11時のお夜食。 ようやく息子を寝かせ、ソファーで読書していると、夫が台所にやって来て冷蔵庫を開け、またすぐ閉めて書斎に戻ります。 ところが 5分も経たないうちにまた戻って来て、今度も冷蔵庫を開け、しばらく中身を眺め、閉めます。 そして一度背を向…

Dans ma forêt amazonienne

本についての話。 大学生の頃、シアトルに住む父の友人一家を訪ねたことがある。その、私が「ジムおじさん」と親しみを込めて呼んでいた父の友人には、レナちゃんという可愛らしい娘さんが居て、私より5歳年下の当時16才だった。レナちゃんは生まれも育ちも…

La super lune

今宵はスーパームーンの夜。 テラスに出て見上げると、そこにあった。 曇り空の朧月。 次に最も巨大な月が観測できるのは、2037年らしい。 17年後、私たちはどうしているのかな。世界はどうなっているのかな。

Les nouvelles

フランスに来て初めて口にした食べ物の一つに、キュイジーヌ・アンティエーズ (cuisine antillaise /アンティル料理) がある。 カリブ海に浮かぶフランス領、アンティル諸島のお料理だ。ラム酒を砂糖きびシロップとオレンジジュースで割ったパンチ(punch) と…

Le petit lapin à fleurs

スーパーから特大の買い物袋を抱えて帰った夫。その中身を台所で一緒に出しては片付け していると、袋の底から、首に小さな鈴を付けたかわいいウサギがひょっこり出てきた。 イースターのショコラだ。 ピンクの花模様が微笑ましい。夫に似つかわしくないチョ…

L’appel de la forêt

満開の八重桜。 Ça y est, c'est définitivement printemps. Au bout de trois semaines du confinement, ce qui me manque n'est finalement ni théâtre ni cinéma ni musée ni café, mais c'est la forêt. La terre et les plantes, les fleurs. La lumièr…

Les fruits rouges

今日のおやつは春いちご。 息子が切って盛り付けました。 自分のボールには溢れんばかりに。ママンのボールにはお上品に。

Vive le chocolat

冗談のような本当の話。 今朝もメールボックスには、閉鎖中の息子の学校からメッセージがいくつも届いている。その中に、「文部省から全国の教育施設に発布された手紙を転送します」という内容のメールがあった。差出人は教頭先生。 きっと、外出制限中の勉…

Une exploration d’intérieur

息子が急に「テントを作りたい」と言い出した。 座っていた書斎の社長席風チェアーをくるりと180度回転させて、夫がびっくりしたように聞き返す。 「テント?!どこからそんなアイディアが浮かんだの?どうしてそう思ったの?」 息子の寝室に隣接する客室は…