Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Alaïa

Azzedine Alaïa という、チュニジア出身のクチュリエの展覧会に足を運んだ。

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友人マリンの提案で、仲良し4人で揃って出かけた。

 

展覧会の感想を一言でまとめると、立体的なフォルムがどれも非常に美しかった。アイディアに富む凝ったカッティングで、布というものが、全く平らな素材であるという事を見事に忘れさせてくれる。

 

壁に長々と記載されていたアライアの履歴で目についたのは、まず、その人生のあちらこちらに散りばめられた、特別な出会いの数々。アンドレ マルロー、ジャン コクトー、ミロといった壮々たる顔触れとも、若くして接触している。

それから、生涯続いた amitié (友情)の記載があまたなこと。

C'est le début d'une amitié qui dura jusqu'à la fin de sa vie...

Une longue amitié nourrie d'admiration mutuelle réunit les deux hommes...

Ils ne se quitteront plus...

C'est le début d'une amitié qui dura toute sa vie... etc. etc.

といった具合。

出会った人を魅了するチャーミングな人柄であったに違いない。彼の成功のヒミツの半分は、きっとその人徳にあったのだろう。

 

もう一つ興味深かったのは、展示物のひとつひとつに添えられていた短いキャプション(長いタイトル?)だ。マリンには、そんな所に目を付けていたのね!と意外がられたけれど。

クレープ地のウール、コットン素材のワッフルといった、一般人にも割となじみのある表現から、キャビア仕様(黒光りするビーズが散りばめられていた)、レースのクリームシャンティ (à la crème Chantilly) 仕立て(数段に重なった豪華なレース)といった具合に、作品の形容に食べ物のボキャブラリーが多く使われていて面白かった。私だったらこのドレスをどう形容するだろう?と想像しながら、各キャプションを見て回った。

 

ミッシェル オバマもアライアのドレスをよく身に付けていたらしい。展覧会を後にしてパリの街を歩いていると、ちょうど彼女の自伝の文庫版発売を宣伝するポスターを見かけた。こういうタイミングは逃さないことにしている。その足で近場の書店に入り、以前より気になっていたその本を購入して帰った。

 

人生は出会いの連続。