Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

La forêt de livres

私の辞書によると、本屋とは、

一度足を踏み入れるとなかなか出られない不思議の森。好きな場所。

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それは、母に連れられて八重洲ブックセンターに行くのがそれはそれは楽しみだった子供のころから、今もずっと変わらない。時が経っても、場所が変わっても。

 

今日入ったリブレリー(librairie 本屋) では、平積みされていた森鴎外と永井荷風のフランス語訳版の本が気になった。きっと最近出版されたのだろう。日本人としてはやはり日本語から読むべきか、それとも、パリジェンヌとしてフランス語から入ろうか。贅沢な悩みだ。ひょっとしたら、古い日本語よりも、フランス語の現代訳の方が取り付き易いなんて事もあるかも知れない。

最新作で文学賞を受けたばかりの、旅人にして文筆家、 Sylvain Tesson の本も読んでみたい。友人キャロリーヌのお気に入りの作家でもある。彼女のお勧めはなんていう題名だったかしら。

そうこうしているうちに、息子の学校帰りの時刻が近付いていた。あぶないあぶない。またうっかり長居してしまうところだった。ごはんの支度に帰らなくては。

 

他界した読書好きの母の代わりに、伯母に、上品なバラ模様の刻まれた栞を買って出た。この夏、日本に帰省する時のパリ土産にしよう。すっきり整って自分らしいものに囲まれた素敵な家に住んでいて、「なんにも要らないからとにかく手ぶらで帰って来て頂戴」と主張する伯母だけれど、本を読む人だから栞ならきっと喜んでくれるに違いない。お土産というのは、選ぶ方も楽しみなのです、伯母さん。