Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Les mots qui sautent aux yeux

偶然は必然?

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古い本を整理していたら、語学学校に通っていた頃のフランス語の問題集が出てきた。

手に入れてみたはいいけれど超上級者向きで当時の私には歯が立たず、三日坊主で終わった問題集だ。ロックダウン中の頭の体操にちょうど良いかも?と思い何気なくめくると、まさに開いたそのページに Il se confine chez soi (彼は家に閉じ籠もっている) という例文が手書きしてあった。我ながらあまりのタイムリーさに驚いた。

 

当時、知らないボキャブラリーとして調べて書き込んでおいたのだ。しかしながら全く縁のない言葉だったので頭には残らず、使うチャンスも今の今までなかった。その se confiner (閉じこもる) という動詞や、名詞形の confinement (封鎖、ロックダウン) を、よりによって毎日見聞きする日がやってこようとは。

過去の自分からタイムカプセルを受け取ったような気分だ。

 

もう一つある。

息子の地理の宿題を手伝っていると、exode rurale という言葉が目に飛び込んできた。(exode は民族大移動、rurale は田舎の意。) 農村の住人が職を求めて都心に移住する社会現象を指している。

現在のエピデミック騒動を引き金に人々の価値観が変わって、今度は逆に都会から田舎に移り住もうとする人達が現れるだろうなと思った。何を隠そう、当の私も田舎に移り住みたいと思っている1人なのだ。

 

そんな矢先の昨日、偶然手に入れた本を裏返すと、まさにそんなムーブメントを指すボキャブラリーが裏表紙に載っていた。

"exode rurale à l'envers"

「逆さまexode rurale」とでも訳せようか。

トランプのババ抜きゲームで、偶然ペアのカードを引き抜いたような気分だった。

 

きっと、この世はサイン(暗示)で満ちているのだと思う。