Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Daphné

さんぽの途中、人様のお庭のバラをパシャリ。

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もう時期は過ぎたと思っていたけれど、まだ美しい盛りのバラも時々見かける。日本の庭に椿が咲くように、フランスの庭にはバラがよく咲いている。

 

息子のギリシャ神話の本を読んでいて、ローリエ (月桂樹) はダフネという名のニンフの化身であると知った。アポロンに求愛され、追い回されるも、結婚を拒んで逃げ回る美しきダフネが、とうとう捕まるという瞬間に月桂樹の木に姿を変えてしまったのだ。美術館かどこかで、指先が木の枝になっている女性像を見かけたことがあるけれど、それは樹になることで貞操を守った麗しのダフネであった。謎が一つ解けた。

 

料理の香り付けに用いられるローリエの葉。「お皿によそってテーブルに出す時は、ローリエは取り除くものなんですって」と、いつか母に聞いた。「お皿に残しておくと、婚期を逃すのですって」と。私はその時、確か高校生くらいだったと思う。あなたに早くお嫁に行かれちゃ寂しいから、わざとローリエを入れておこうかしら?と笑っていた母の台所姿を、今頃になって思い出した。とても長いこと眠っていた記憶だ。危うくそのまま忘れ去ってしまうところだった。

どうしてそんな迷信ができたのか、今日になってようやくその訳を知った。

 

人生は謎なぞ。