2ヶ月半ぶりに解放された公園を歩く。
朝で、お天気は良く、鳥のさえずりが心地よい。
いつもは短く刈られている芝生が、膝丈まで伸びてまるで緑の海原だ。猫じゃらしに似た涼しげな穂をつけた草が、一斉に風に揺れてさざ波のよう。足の踏み場もないほど育っている一角は、ちょっと麦畑みたいだ。朝日に輝く草の浅瀬を歩く。
子供のころ花冠を編んだシロツメクサが咲いている。黄色いブトン・ドール (bouton d'or / 金のボタン) の花もあちらこちらにアクセントを効かせている。日本語の名前はなんというのかしら。
最近めっきり公園に行かなくなった息子だけれど、久々にブランコに乗る。私はベンチに座って待つ。本を広げるけれど、あまり読む気がしない。光り輝く緑を眺めるだけでタイクツしない。ベンチの後ろにある灌木は、葉をびっしり茂らせた枝をめいいっぱい伸ばして、私の頭上にちょうど良い具合にヒサシを作っている。
しばらく人の手の入らなかった公園は、すっかり緑の楽園になっていた。
息子がブランコからぴょんと飛び降りた。そろそろ行こうという合図。
さあ、バゲットを買っておうちに帰ろう。