Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

A partir du mardi soir

パリは昨日から気温が急に跳ね上がった。

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今日の空は真っ青な快晴で、空気はさらっと乾燥していて、気温はほとんど体温と変わらない。そして、夜は22時を回るまで明るい。

 

近所に住む友人ギレンヌと夕方に子供連れで会おうと言い合ったはいいけれど、何時になっても太陽が強烈でなかなか外に出る気になれない。結局、時計が18時を過ぎるのを待ってから、木の多い公園で落ち合って即席ピクニックをすることにした。18時過ぎと言ってもサングラスが手放せない。20時の閉園まで、草の上で夕飯がわりのサンドウィッチと果物を齧りながら一息つく。公園の木陰は、西陽の射す家の中よりよっぽど涼しくてホッとする。暑さで緩みきって溶けそうになっていた体が、ようやく元の固形に戻った気分だ。

 

来週から子供達の夏休みが始まる。ギレンヌが、火曜の夜からいよいよヴァカンスね と言った。そう、「A partir du mardi soir (火曜の夜から)」なのだ。毎度のことだけれど、フランス人の口からこれを聞くたびにいつもニヤリとしてしまう。それはすなわち、日本人的に言うと「水曜日からヴァカンス」という意味なのだ。

息子が小学校に入学した時、いや、もしかしたら幼稚園に入園した時だったかもしれない。配布された年間のヴァカンスの予定表で、初めてこのフランス的な日にちの感覚を目にした時は、ささやかながら鮮やかなカルチャーショックだった。

例えば、息子の学校の今年の夏休みは7月と8月の丸2ヶ月間なのだけれど、こちらではそれを Du 30 juin au soir jusqu'au 1er septembre au matin (6月30日の夜から9月1日の朝まで) と知らせる。つまり、6月の最終登校日の授業が終わった途端、そして9月は最初の登校日に始業する直前まで、しっかりヴァカンス扱いなのだ。その感覚がフランス人的で好き!と私が称賛すると、ギレンヌは、そうよ、ヴァカンスはほんのひとかけら (une miette) だって無下に扱えないのよ!と笑った。

 

私達がお喋りしている間、息子は、ギレンヌの一人息子で同い年のアルマンと遊んでいる。その姿を遠目に眺めながら、春のロックダウンの間に子供たちはまた少し大きくなったなと思った。緑の木漏れ日がキラキラ、眩しいソワレだ。