Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Les mûres mûres

今朝の朝ごはんは、

 

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家の近くの小径で摘んだクロイチゴ (桑の実)。

ここ数日の猛暑で、しっかり黒々と色付いた。ちょうど朝の果物を切らしていたところだったので、ありがたい。

 

南仏の家は近所に商店がないので、買い物に出るのは週に一度だけ。車で倉庫のように巨大なスーパーに乗り付けて、1週間分の食材をごっそり買い溜めする。

もともとは、籐の籠などを腕に引っ提げて、近所にてくてく歩いていくタイプの買い物が好きだけれど、場所が変われば生活様式も変わるものだ。ここでは車がなくては生活できない。毎日、ほとんど歩かない。運動不足で眠れず、息子は毎晩夜中近くまで目を冴え冴えとさせている。困ったものだ。

 

昨日、黄昏時にクロイチゴを摘んでいたら、カサカサと乾いた草を踏んで、藪の向こうから小動物が近付いて来る音がした。キツネかな?と思ったら、毛並みの美しい焦げ茶の猫が現れた。

ニャーと挨拶するので、ニャーと返すと、合言葉に安心したのか走り寄ってきた。薄墨色の空にはハーフサイズの月が出ている。「アナタも今夜の会合に行くところなの?」と目で訊ねるので、「ちがうちがう、私はコレを摘んでいるところなの」とクロイチゴをひとつ差し出すと、鼻面でちょっとクンクンしてから「なぁんだ」と横を向いてしまった。ご興味なし。

家の方に歩くと猫もついて来る。私が門を潜ると、猫は中には入らず立ち止まった。ポケットからリモコンを出して門を閉じてみせると、その柵越しに目を皿のように丸くしてこちらを見ている。「アナタにはすごいパワーがあるのねぇ!!」まあね。またね!

 

夏至の頃は22時まで明るかったけれど、最近少し日が短くなった。ヴァカンスも終盤。そろそろ秋からの生活に向けて気を引き締めなくては、と、氷入りのロゼワインを片手にぼんやりと考えている。