ギー (gui) のブーケ。
フランスで年末年始の店頭に出回るギー(ヤドリギ)は、日本でいうところの松のようなもの。
ヨーロッパにケルト文化が栄えていた時代には、不老不死のシンボルとされていたそうだ。高い木々の枝のそこここに、こんもり丸い鳥の巣のような格好で寄生する。色のない冬景色の中、まっ裸になった寒々しい枯れ木の上で、そこだけ緑の葉っぱと半透明の白い実をつける。それが神様の仕業と解釈された訳だ。白い衣を纏ったケルトの賢者達は、儀式祭礼にこの植物の不思議な力を借りたという。神聖な植物なのだ。
常緑植物と呼んでしまえばそれまでだけれど、不思議な力であることに変わりはない。ブーケを飾って、その恩恵に預かるとしよう。