去年の夏に持ち帰った機内誌がテーブルの上に出ているのはどうしたことだろう?
と思ったら、
どうやら息子が私の本棚から引っ張り出してきたらしい。
漢字ばっかりで読めもしないくせに。
「これ見てたら、ボク、日本に行きたくなっちゃったよ」と悲しげに訴えてきた。
このパンデミック騒動で、今年の夏は日本に行けなくなるだろうと数日前に話したばかり。咄嗟に反発的な反応が返って来るかと思ったら、唸るように頷いたきり黙った。それなりに彼も成長したのだなと思った。
「お祈りしてみたら?
日本に行けますようにって」
困った時の神頼みではないけれど、自分の力ではどうしようもない時は、祈るのが健全な気がするから。何を隠そう、祈りは届くとママンは思っているから。
大丈夫。時間はいつだって味方。
世界はきっと良い方向に変わってゆくだろうと思うから。