外界に出ず人にも会わず家に篭って過ごしていると、自分が本当に欲しているものの輪郭が少しづつ、でも確実に見えてくる気がする。
ファースティング(断食)は取り込み過ぎた余分なものを出して体をリセットするそうだけれど、「おうち籠り」で人や物との接触を最小限に抑えることでも同様に、ある種の、心のデトックス効果が得られようとは、今まで想像だにしなかった。たまには、意識が内へ内へと向かうのも悪くないものだ。
もしかしたら、仙人が山に篭るのも、そんな目的のためかしらん?なんて思ったり。内なる自分をより正確に捉えるための修行。人の内側にあるミクロコスモスは、無限の広がりがあるのだ。
そう思うと、現在の私達の修行 (ロックダウン) も決して悪くない。
かくして「おうち篭り」中の私は、
森の近くでの暮らしを欲している自分に改めて気が付いた。あるいは、小さくても庭のある暮らしを切に夢みている。
息子を寝かせ、家事を済ませ、居間のソファーで去年のノエルに貰った花の画集を眺める。目と心の保養に。