Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

La vie provençale

オリンピックもいよいよ終盤。


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テレビ好きな夫は、ヴァカンス中の南仏でも毎日朝から晩までテレビを付けている。オリンピックの年とくれば尚更だ。たまにキッチンに来たかと思うと、今度はラジオを大音量で点ける。あっちからもこっちからも「Tokyo Olympique 2020 ! 」と聞こえてくる。本当は2021年なのに、時が去ったのを、見て見ぬ「ふり」をしているようで不思議な感じだ。世界中が申し合わせてタイムスリップごっこをしているみたい。

 

今日は特に予定がなかったので、昼食の後、居間のソファーベッドで本を読みながら、いつの間にかうとうと昼寝してしまった。

何やら騒々しいので目を覚ますと、フレンチカンカンの音楽に合わせて、テレビに映った男性陣が足を上げて踊っている。狂喜した解説者の奇声が響く。「我らがチャンピオーーーン!!」興奮のあまり、すっかり裏声になっている。夫も画面を前に立ち上がって興奮している。聞けば、男子ハンドボールでフランスが金メダルを取ったのだと言う。

会場の音楽は「フレンチカンカン」から、やがて「オーシャンゼリゼ」に変わり、青いユニフォームの選手達は肩を組んで歌い始めた。微笑ましい光景だ。夫に「日本のサービス精神もなかなかのものでしょ?」と言いながら、相手国のデンマークが勝利していたら、一体どんな曲が流れたのだろう?準備はあったのかしら?と思ったりした。日本はフランス贔屓なのかもしれない。

 

今回のフランスは団体競技の快挙が続いている。当初の予定では、今頃はフランスの友人達を引き連れて賑やかに東京に帰省するつもりだったけれど、夫の家族などには、「逆に3年後に日本の友達をパリオリンピックに連れておいで」とウィンクされた。

 

南仏はよく晴れている。

車を出さなくてはパンも買いに行けないので、ちょくちょく買い物という訳にもいかず、実はパリに居る時よりも外に出ない。結局、今日は一度も出なかった。

 

同じ敷地内のお隣さんの犬が、時々ボールを口にくわえて遊びに来る。去年も見た犬だ。毛足の短い小型犬で、顔の半分が白、もう片方が茶色なので、ドゥミちゃん (demi / 半分) と呼ぶことにした。ボールを目の前に落っことして「投げて」と頼むので、遠くに放ってやると喜んですっ飛んで取りに行く。短いしっぽがアンテナみたいでかわいい。下手をすると、ずーっと「投げて」を繰り返すので、ある程度遊んでやったら、キリを見て適当に切り上げなくてはならない。

 

毎年遊びに来る猫も一匹いる。やはりどこか近所の飼い猫だろう。薄いキャラメル色の雌のトラ猫で、人なつっこく気立がいい。小学生の頃に好きだったポールギャリコの「さすらいのジェニー」に因んで、こちらはジェニーちゃんと名付けた。息子と私の間での呼び名だ。

まぁもっとも、ドゥミやジェニーの方が、私達を見て「や、今年も僕の(あたしの)敷地に遊びに来たな。ちょっと遊んであげるとしよう」と思っているのかも知れない。

そう、今年も、もうしばらくお邪魔します。