Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Rassemblement

Café ?

久々に朝の集会のお呼びがかかった。

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子供が3人、友人が五万といるエドウィッジからのSMSはいつも極めて簡潔だ。気心が知れた友達だから、それでも意図はしっかり通じる。こちらもいつものように簡潔に返す。

Café !

 

グレーブ(スト)の続くパリで、ママン達の生活リズムも乱れに乱れている。遠方の学校に子供を通わせていたりするとなおさらだ。エドウィッジもご多分に漏れず。3人の子供達がそれぞれ家から離れた違う学校に通っているので、ここ一ヶ月はすっかり専業タクシードライバーと化していたようだ。

10時にアパルトマンの呼び鈴を鳴らすと、珍しく目の下にうっすらクマをつくった彼女がドアを開けた。かく言う私も、昨日雨と寒さの中を10Km以上歩いた上に寝不足で今朝はゲッソリなのだ。

Ça va ? Oui ça va.

T'as l'air d'être fatiguée. Toi aussi !

元気?うん元気。疲れてるみたいね?そっちこそ!と、苦笑し合う。

 

先に来ていたペリンヌは、子供の昼食を用意して迎えに行かなければならない時間なので、私と入れ替わりに退去する。若い彼女はそれでも4児のママンだ。4人の内の1人はまだベベ (bébé) なので腕に抱き、残りの3人は近所の学校に通っているけれど、昼食は毎日家で取らせているので忙しい。

 

しばらくすると、今度はいつになく髪を振り乱したマリンが到着する。彼女も男の子が3人いて、今しがた車で彼らをそれぞれの学校にドロップアウトしてきたばかり。渋滞で予定より遅くなってしまったと言う。

いつもの仲間がもう1人来る予定だったけれど、結局この状況下(スト)で来れなくなった。

 

エドウィッジの勧める美味しいショコラを摘みながら、お茶を飲み飲みよもやま話に興じる。ショコラは重厚な本の形をした箱に収まっていて、その表紙にはHVのイニシャルが刻印されている。Hugo Victor というショコラチエだ。なんて文学的な名前。きっとユゴーとヴィクトールという名前の2人がコンビを組んでいるに違いないけれど、インスピレーションに満ちた幸せな偶然だ。そうだ、読書家の義理の母への次のノエルのプレゼントはこれにしよう、と思い立つ。まだ12ヶ月も先の事だけれど。

 

女かしまし朝の集会のお喋りの話題は、まず、長引くグレーブをそれぞれどのように乗り切っているかについて、子供達の学校のこと、宿題の量について、今年から方式が変わるバカロレアについて、ノエルと年越しをどのように過ごしたかの報告、7人子供のいるエドウィッジの友人夫婦が最近破綻した話、専業主婦はそういう時にどのように危うい立場 (路頭に迷う可能性) を回避すればよいのだろうかという話、大人になってから再開する勉学の意義について、などなど。おしまいに、日本から脱走したカルロス・ゴーン氏は一体どういう人物なのか?黒か?白か?といった時事も話題に上った。(言うまでもなく、日本人である私に質問が集中した。)

久々に長話ししたところで、エドウィッジが時計を見て立ち上がる。「もうこんな時間!末っ子を迎えに行かなくちゃ!」グレーブで欠席の先生がいるので、今日は授業がいつもより早く終わるのだそうだ。

 

こうして、パリの寒空の下、子沢山ママン達のレースは続く。

グレーブが早く終わりますように!