Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Jeudi, Judy

木曜 (jeudi)に観た映画 Judy の覚え書き

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オズの魔法使いでドロシー役を演じた伝説の歌手、Judy Garland の物語。名声を手にしておきながら、薄幸の人であったようだ。

凡人の私などは思う。不幸せなスターが多いのはどうしてだろう?人が幸せに生きるには、大勢の人間から人気を得ることよりも、たった1人からの愛を得ることの方が、はるかに大切なのだろう。しかもその1人というのには条件があって、自分の愛する人でなくてはならない。それはスターにとっても、いや、もしかしたらスターであれば尚更、たやすいことではないのかも知れない。

 

とても印象に残ったセリフがあった。

パーティーで出会った若い男性に、「子供はいるの?」と聞くジュディ。いないと答えた彼に、こう返す。「その方がいいわ。子供がいるってのは、心臓を外に出して生きてるようなものよ」

言い得ている。

子供を持つというのは、自分より大事な存在ができることだ。それは、素晴らしくて、同時にすばらしく厄介なことだ。C'est troublant d'avoir un être cher qui est plus important que soi-même.

 

自分がママンになってから、だいぶ私は涙脆くなった。母を失ってから、更に輪をかけて涙腺が弱くなった。我が子を愛するこの世の全てのママンを、心から愛おしく思う。たとえそれが「良き母」でなくっても、だ。あなたはそれだけで充分に素晴らしい母親なのだと、断言してあげたくなる。映画の中のジュディも、そんな女性の1人だ。

 

自分にとって一番大切なこと、一番好きなこと をして生きていきたい。誰でもそう思う。けれども、母親になった多くの女性にとって厄介なことは、多分、「一番大切なことよりも大切なこと」が出来てしまった事だ。それは想像を絶する強烈さで、人生を大いに狂わせる。

 

映画の後、家に帰り、学校から戻った我が息子を腕にギュッと抱き締める。私の一番大切なことより大切なこの子は、紛れもなく、私の最高に大切な宝物だ。こうしてこの子の側に居れることを幸せに思う。

 

世界中のママンに、アイラブユーを。

そのママン達から生まれた全ての子供たちに、ジュテームを。