これは夜中のイチゴ。
いつものように夜の台所を片付けて、少し本を読んで、メールをチェックしていたら、あっという間に夜中になった。
明日は2ヶ月半ぶりの来客がある。夫の学生時代からの友人がお昼にやって来る。ベランダでランチの予定だ。新鮮な空気と、ある程度の距離を保って食事が楽しめるように。いつもであればディナーに誘って朝方まで語り合う友だけれど、このご時世ではそんな気分が出ない。ワインと夜の闇で酔いが回ってしまっては、彼らは昔の馴染みで距離なんてきっとどうでもよくなってしまうだろう。だから、どちらからともなく敢えて昼間を選んだようだ。
フランス人はフェット (fête / パーティー) 好きな民族だ。ご近所さんの中には、すでに友人を複数招いてロックダウン解除を祝うホームパーティーを開いた人達もいる。先週末にはお隣や下の階から、グラスのぶつかる音、フォークやナイフのカチャカチャいう音、賑やかなお喋りと煙草の煙が我が家の窓まで流れて来た。それに比べたら、我が家の食事会は細やかなものだ。
夜中の台所で明日のデザートに出すイチゴのヘタを取り、タッパーに入れて冷蔵庫へ。こうしておけば傷みづらい。玄関にはピンクのド派手な消毒ジェルのプッシュボトルを据えた。顔馴染みの古い友と、ビズも無し、ハグも無し。どんな昼食会になるやら。でも、ずっと家族3人だけの小さなバリアの中で暮らしていたから、久しぶりに親しい“外界の人”を迎えるのは楽しみだ。
少しずつ、以前とは明らかに違う新しい以前の生活に移行しつつあるこの頃。ルネッサンスとでも呼べるかな?