Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Avant goût des vacances

パリはすっかり夏日。


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今日も快晴。最高気温は一気に上がって33度。

ミイラ取りがミイラになるとはよく言ったもの。トーキョーの茹るような暑さと違い、夏日のパリはとにかくカラッカラに乾いている。日向でちょっとでもじっとしていようものなら、あっという間に干しシイタケのようになってしまいそうだ。まぁもっとも、ヨーロッパ人だったら、さしずめドライトマトといったところか。

そんな灼熱の太陽の下でも、パリの人達は率先して日向に陣取っていたりするから、まったく人種が違うとしか思えない。彼らに比べて、日出づる国で生まれ育った私達は、肌や心に太陽の貯蓄があるような気がする。

 

昨晩は、サッカーのヨーロッパ選手権なるもののフランス対ドイツの試合があった。選手がゴールを決める度に、開け放った窓からも我が家の居間からも歓喜の雄叫びが轟き、暑さも相まって街全体が沸点に達した夕べだった。こういう、開けっぴろげで分かりやすいパリの性格が私は好きだ。街に表情がある。

 

外を歩けば、例え男性ではなくとも、パリジェンヌの肌の露出度の高さに思わず目を見張る季節だ。背中がすっかり全開の服を着ていたり、大胆なデコルテや超ショートパンツでメリハリのある胸やお尻を誇示して、豪華(?)なことしきり。本人が堂々としていれば、何も恥ずかしいことはないのだ。罪悪感のない色気が健康的であっぱれだ。

 

いつかパリに来たばかりの頃、ソルボンヌのダンディーな教授が、授業の始まる前に目を細めて教室を見渡しながら言っていたっけ。「初夏は女性の服がだんだん薄くなって大変よろしい。」半ば冗談、半ば本気で、悪戯っぽく堂々とのたまうので笑ってしまった。いやらしさが鬱屈していない。離婚歴が3回あるという、スーツの着こなしがお洒落な中年の教授だった。クラスには利発で美人の中国人留学生がいて、教授のお気に入りだったから、4度目の結婚相手は彼女になるだろうと生徒達の間でコッソリ噂したものだ。

 

明日から野外でのマスク着用義務と、23時以降の外出制限がようやく解かれる。

先日、パリでは無法のマスク未着用パーティーが野外で開かれて、長らく抑制されていたフェット(お祭り)好きなフランス人魂が炸裂した。

日は長く、暑さも伴い、人々の心は一足お先にヴァカンス入りしてしまったようだ。