Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Vingt sur vingt

2020年最後の日に、この一年を振り返って

 

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息子が、年末年始は「スペシャルごはん」が食べたいとのたまう。大晦日に甘い黒豆でも煮てみようかなと思ったのに、昨晩水に浸すのを忘れて寝てしまった。あらら。だんだん日本離れしてきているのかしらと一瞬思ったけれど、いやいや、日本にいた時からこんな調子だったと思い直して苦笑してしまう。どこに居てみても変わらないということだ。

 

今年はまったく思いもよらない一年だったけれど、そのお陰で気付かされた事もいくつかあった。世の中も、そして個人的にも、到底無視できない変化があった歴史的な一年だった。厄介で大変な年だったけれど、辛かったかと聞かれたら、私の場合答えはノンだ。大切な家族や父や親愛なる親戚、大好きな友達、周囲の人たちがこれと言った被害ひとつ受けずに乗り切って来れた事に感謝したい。パンデミックをめぐる騒動によってかえって自分の運の良さが際立って、意識させられた感もある。共通の敵が仲間内の結束を強くするのと似た恩恵もあったように思う。相手があっての自分。生きるというのは他の命と接触を取ることだというのが身に染みて分かった。そして、この時点で私達はきっとひとつの大きなターンポイントにいるのだろうと思う。

 

今年は、ロックダウンを経験した春の終わり頃からこの記録を公開し始めた。遠くに居てなかなかお会いできない人たちに近況報告を兼ねて。私にとって大切な誰かが、この地球のどこかで元気でいてくれることを思うと心強く、ありがたく思う。

 

黄昏時、今年最後の散歩に出て、閑散とした街の中にフローリストが一軒明るい光を放っていたので、今年最後の買い物に花束を求めた。我ながらなかなか素敵な「買い物納め」だと思った。

今年最後の夕食の後、テレビを点けるとシャンゼリゼの様子が映っていた。例年であれば大晦日は普段にも増して賑やかなパリの目抜き通りに、20時以降の外出制限のせいで人影がない。たった一年で世界がこんなに変わってしまうなんて。実は案外簡単に、どんな風にでも変わり得るのかも知れないと思う。今後どこへ向かうか、その鍵を握っているのが私達なのだろう。

 

日本はフランスより先にもう年明けですね。

皆さま、どうぞよいお年をお迎えください。

 

2020年12月31日

パリの空の下より心を込めて