Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

La suite

今朝も息子は学校に行った。

 

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クラスメイトのご家族に異変種の感染者が見つかったと、先週の金曜の日中に学校より緊急連絡があり、その時点から即3日間のクラス閉鎖となった。尋常でない慌ただしさだ。ウィルス発生からちょうど一年経って、収束どころか異変種騒ぎで以前とはまた別の緊張感が漂っている。

今回の異変種というのは南アフリカ種で、感染力が非常に強いとのこと。ただしその危険性については特筆すべきことは聞いていない。どちらにしても、子供達は無症状か、症状があっても幸いなことに軽いようだ。

 

息子も含め、PCR検査で陰性を示した子供達が今週に入って再登校し始めた矢先、今度は一学年上のクラスが同じように緊急閉鎖となった。クラス内の生徒に感染者が見つかったとのこと。その生徒の周囲に座っていた子供などは、特に7日間の完全ロックダウンが課されたようだ。家の中でもマスク着用、自分の部屋に隔離して家族への感染を防ぐようにとの指示が出ている。なんだかんだと大騒ぎだ。

 

どうして国は今年一年間の学業を留年にしないのだろう?なんて思うのは私だけだろうか。良識のある人たちに、そんな事出来る訳がないじゃないかと目を向いて怒られそうだ。学校が「課す」勉強というものは、今という時期にこの騒動の中でそんなに不可欠なんだろうか?ほんの1年や2年くらい、多少の目処が立つまでのヴァカンスとして、子供や若者達にせめて時間的な自由とこれからの時代を見極めるチャンスを与えたらいいのに。

 

今夜予定されている政府の発表で、パリは今週末からまたロックダウンに突入するだろうと噂されている。

 

個人的には、日本の伯父が入院したことが心配でならない。側にいてあげられない人の為に、祈ること以外に私に出来ることって何だろう。伯父の様子を心配する伯母と父のことも気に掛かる。今これを書いているテーブルからは、ちょうど東向きの窓に切り取られた空が見える。日本の方角の空をじっと見る。

 

公園のこぶしの木は、枝先に灯した炎のような紅い蕾が綻びはじめた。華やかさに一時心を奪われる。何があっても季節は巡る。春は忘れずにやって来てくれる。それだけのことが、どれだけ私達の心の支えになっていることか。小さな子供というのは、リフレインのある歌や、同じフレーズが何度も繰り返されるお話を喜ぶものだけれど、大人だって実は同じなのだと思う。自然界に不変の秩序があることは、心に安らぎをもたらしてくれる。そして、美しいものは心を癒してくれる。

結局、大切な人たちの為に今の私に出来ることは、引き続き日々を大切に、希望を持って生きようとすることなのかも知れない。