Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Chez Caroline

先日の火曜、私の住まいからすぐそこ (フランス語で言うところの à trois pas / 3歩のところ) の素敵な一軒家に住んでいるキャロリーヌ宅で、女仲良し3人組が集まって朝のお茶を楽しんだ。

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キャロリーヌは、壁を隔てた隣の空き家が売り出され、兼ねてから夢見ていた通りそれを買い取ることに話が決まり、2つの家を合体させる大掛かりな改装工事が翌日から始まるところだ。

 

そして、今回の私達の集まりのお題目は、施工前の空き家訪問。案内人はもちろんキャロリーヌ。

 

2年間以上空き家であったらしく、手入れのされていない広い庭には好き放題に植物が茂り、秘密の場所めいた雰囲気を醸して魅力的だ。林檎、プルーン、レンヌクロードが贅沢なくらいたわわになっている。そこここに、いらなくなって打ち捨てられた古い木の家具が、背の高い草の間に見え隠れする。この家の前の持ち主は、散々渋った挙句、ようやく売り出すことに決めたらしい。色々と思い出のある家だったのだろう。

 

石造りの家の中は、古風な柄模様の壁紙が張りつめられ、ひと昔前にタイムスリップした気分になる。蜘蛛の巣の張ったアンティークな家具から、本や台所用品といった生活用品、ハットピンのコレクションといった思い出の品々まで、前の住人に見捨てられて置いていったものが雑多に散在して、まさにcabane d’Alibaba 状態だ。

誰かに所有されていたオブジェというものは、ちゃんと記憶を宿すもので、独特の匂いと存在感を放っている。

 

3階建の一番上の階は、全フロアを自分のアトリエにするのだ と、キャロリーヌは目を輝かせて話す。ブロカント好きの彼女が、未来の自分の空間の設計図を語っていると、もう1人の友人、有紀さんが、「キャロリーヌが常々夢見ていたことが、まさにそのまま実現しようとしているのね」とコメントして、ハッとした。正にその通りだと思った。

当のキャロリーヌも、そう言われて見れば というような反応を示す。夢見ていたら物事が自然にその方に進んで、いつのまにか本当に叶おうとしている事に今更気がついた といったような表情であった。

 

夢を見よう。さらば叶わむ。

だって、夢さえ見なかったら、叶いようがないもの。