久々に早起き。
生まれたての新しい1日。よく晴れている。
冬のパリは朝も9時ごろまで暗いのだけれど、2月も真ん中に差し掛かって、8時にもなるとすでに少し明るい。
パジャマのままソファーに身を沈め、まだエンジンのかからない頭で昨晩の夢のことなどを漫然と思い出しながら、ひと時、白々明るさを増してゆく窓の外の空をただ眺めていると、根拠のない幸福感のようなものが静かにふつふつと湧いてくる。
朝は希望の時間だなと思う。美しい時間。それがよく晴れた春の朝であれば、なおさら美しい。
新しい空、新しい太陽、新しい空気、新しい時間。そして、新しい私。
舞台でいうと開幕の頃。
最近の朝寝坊で、ここのところ少し損をしていたかもしれない。
真新しいキャンパスにお絵描きするように、空に飛行機雲が走る。
世界はまったく上手にできている。新しい1日は、私が何にもしなくったって、規則正しくやって来て、毎朝ちゃんと美しい。
素敵なことだ。