2月29日。今年はもう桜が咲いている。
その木の下で立ち止って眺めている人がいると思ったら、近所に住む日本人の友人だった。フランスの人達は足も止めずに通り過ぎていく。
風の強い日が続いて、今日も注意報が出ている。せっかく桜がほころんだというのに、風はそんなことにはお構いなしだ。
明日ありと思う心の仇桜
夜半に荒らしの吹かぬものかは
母がよく私に言っていたことば。
そして、明日3月1日は、母の誕生日だ。
この世を去ったことのメリットは、もう年を取らないことよ と、どこかで母が笑って言っているような気がする。母と同い年であった父が、今年で6つ年上になる。
私もいつか母を追い越すのだろうか。