Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Sans attendre le mois de mai

5月を待たずに藤が吹きこぼれるように咲き始めた。

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昨晩の大統領演説で、コンフィヌモン (confinement / ロックダウン) は5月中旬までの延長が明らかになった。世の中がもの凄い勢いで変化してから1ヶ月が経った。あともう1ヶ月はカゴの中の鳥の生活だ。

 

1ヶ月後には学校が再開するとのニュースに、息子は思わず「えーっ!」と不満の声。ロックダウンは彼にとって毎日が日曜日。友達に会えないのは残念だけれど、それ以外の点では、今の生活は彼にとってさほど苦痛ではない様子。

本当のことを言うと、実は私にとっても学校再開は大した朗報ではない。それなりに大変だけれどホームスクールにすっかり慣れつつあるし、日々の家事や料理に息子が参加できる生活は悪くない。一緒に本を読む時間も、学校に通っている時より今の方が自由に取れて嬉しい。学校がなくなってからは「早く早く!」と息子を急きたてることも無い。でも、こんな事を言う私のようなママンは極めて少数派なんだろうな。

 

この季節は近くの森に散歩に出掛けたいけれど、残念ながらそれも禁じられている。我が家には庭がないので、緑への想いは募るばかり。本棚にヘルマンヘッセの庭に寄せる随筆集を見付けたので、それを時々散策の代わりにめくることにしている。

人間界は大騒動を起こしていも、季節は変わらず巡ってきて、木々や花々は物静かに彼らのリズムを保っている。幸いなことに。

車通りもほとんどなく、パリの空気がこんなに澄んで清々しかったことは過去にない。空の鳥達は気付いているだろうか?「なーんだ、人間、やろうと思えばできるじゃないの!」と感心していたりして。

人間の活動が停滞している間に、もしかしたら、地球の緑が以前より少し豊かになるかな?

 

ロックダウンが解除されて人間がようやくホッと一息つく時、野生の動植物達は、我が息子と同じ口調で「えーっ!」と異議申し立てするかも知れない。平和な時代はもう終わりなの?と漏らすのかも知れない。