Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Les spaghettis troués

穴あきスパゲティーのはなし

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毎日毎日3食作るっていると、なんだかご飯とご飯の間を生きているような気がしてくる。生きるためにご飯を食べるのか、ご飯を食べるために生きているのか。歩く胃袋、息子を見ていると、その両方なんだろうなと思うけれど。

冷蔵庫から出して、作って、食べて、片付けたと思ったら、また出して作りはじめる。延々とその繰り返し。一応料理好きの部類に入っているつもりだけれど、こう毎日続くと、時々手を抜くか、たまにお願いできる代理ピッチャーでもいない限り、やんなっちゃって務まらない。

ロックダウン中、大して体も動かさないのだから1日の食事の回数を減らしてみないかと家族に提案したけれど、多数決で一瞬にして却下された。やっぱり。そう言えば、休肝日という言葉はフランスでは聞いたことがないなとふと思った。

 

そんな訳で、今日のお昼はお手軽料理の定番、スパゲッティー。例えブーイングが飛んでも、今日はこの一皿だけと心に決める。そう、怠けるのにも意志がいるのだ。(?)

それにしても、フランス人がこの時期、スーパーのパスタの棚をこぞって空にするのもよく分かる。作るのが簡単であるし、色々な形があって遊び心がある。日本の父の大好物はラーメンだけれど、不自然に細長いもの(麺やスパゲッティー) を捕まえて食べるのは確かに楽しい。

 

鍋に湯を沸かし、夫が買ってきた極太スパゲッティーを箱から出すと、あらら?その一本一本の真ん中になんと穴が貫通している。

「なにこれ?ストロー?」

「知るもんか。スーパーの棚に残ってたのは変なパスタばっかりだったから、その中で一番まともそうなヤツを、適当に見もぜず選んだ」と、夫。

彼が変なパスタと呼ぶのは、腕輪くらいの大きさのあるリングパスタとか、色とりどりのマーブル模様の入った可愛いらしいリボンパスタなんかの事だろうと想像する。私はリボンパスタでもよかったんだけれどな。

件の穴あきスパゲッティーの箱を調べてみても、その特別な名前の一つも記載されてはいない。正真正銘の変なパスタだ。

 

とにかく、はじめから芯が抜いてあって、アルデンテにされるのを拒んでいるようなそのスパゲッティーを硬めに茹で、我が家で定番の真っ赤な瓶詰めアラビアータソースをかけ、テーブルに出した。

さて、お味の程は?

決して美味しくない訳ではないのだけれど、庭に水を撒くのに使うホースを頂いているような食感だった。

次の買い物で夫が適当に引っ掴んでカゴに入れるのは、どんな変てこパスタかな?