Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

40

今日は祝日。

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キリストの昇天祭 (L'Ascension) 。復活祭の40日後に当たる。

十字架に架けられたキリストは、甦って使徒の前に姿を現す。それを祝うのが復活祭。けれども、その40日後には地上を後にして昇天してしまう。それが今日という日、昇天祭。いよいよこの世から去ってしまった訳だから、本当のサヨナラの日。けれどもその日からは、どこに居ようとも空を見上げれば繋がることができるのだと言う。

 

息子の学校はカトリック系なので、今日の日に寄せてそんな内容の YouTube が送られて来たりする。見るも見ないも自由だけれど、せっかくなので観賞する。立て襟の服に身を包んだ若い神父さんが、子供たちに向けてヴァーチャル講義する姿が目新しい。

 

40日間というのは、後に残された使徒達に与えられた猶予であったそうだ。主を亡くした者達が、新しい世に生きてゆくための準備期間。

 

おそらく偶然だと思うけれど、疫病の疑いのある人の「隔離期間」のことも、フランス語で「キャランテンヌ」 (quarenteine / 約40) と呼ぶ。昔は40日間続いたからだそうだ。14世期あたりの話らしい。そんな言葉が今でもそのまま使われていて、昨今に至ってはニュースで毎日のように耳にする。現在流行りのウィルスの潜伏期間、及び隔離期間は2週間。それにも関わらずキャランテンヌと呼ぶ。2ヶ月間続いたロックダウンだって、言ってみればフランス国民の一斎キャランテンヌのようなもの。

 

これもひとつの「新しい世に生きてゆくための準備期間」だったのかしら。

 

キリストが昇天したのは、エルサレムにあるオリーブ山 (Mont des oliviers) という丘だそうだ。

ちょうど、我が家のバルコニーのオリーブの木に小さな花が咲き始めた。ミツバチが時々やって来ては、忙しそうに蜜を集めている。ここに何年も前からある木だけれど、その花を初めて見た。特別な年だ。