Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Tout ce qui est petit est...

人は見た目に惑わされるものらしい。

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黄桃のような色合いのバラを見た。

顔を近付けると、甘酸っぱい杏のような、爽やかなレモンシャーベットのような、そんな香りがした。もちろん、そんな筈はないのだけれど。

 

いつもの散歩より少し先まで足を伸ばしたところに、ひっそりとした教会と昔の修道院らしき建物があって、優雅な中庭に入ることができる。きれいに選定された並木の下にベンチが配置されていて、そこに腰掛けて植え込みのバラやラベンダーを鑑賞できる。いつ来てもあまり人はいない。ミツバチだけが大所帯で忙しそうにラベンダーの蜜を集めている。ぶーんと低空飛行の音がして、「刺すからイヤだ」と息子が怖がって目を細めた。

 

小さきことは 強きこと

 

地球の気候が急変して恐竜達が絶滅した時、小さき者達は数多く生き残った。子供の頃それを習って、童話の巨人や怪物なんかよりも、実は小さいものの方が強いに違いないと思った記憶がある。

そう、きっと小さければ小さいほど強いのだ。その証拠に、パンデミックはあっという間に広まって、驚異的な威力で私達を脅かした。目に見えないから余計に脅威だ。

しかし、ウイルスは小さくても顕微鏡を使えば可視化できる。けれど、更にもっともっと小さいもの、つまり、どうやっても目に見えないもの、それはきっと更に強いに違いない。それが「想い」だ。

だから世の中は捨てたものではないのだと思う。