Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Dans un café sans touristes

夕方、サンジェルマンデプレに用事があり、ついでに老舗カフェで一休み。

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いつもは大勢の観光客で賑わう場所だけれど、現在パリはパリジャンパリジェンヌのもの。それも悪くない。清潔感のある白いワイシャツを開襟にして、その上にラフなジャケットを羽織った粋な紳士や、パナマ帽の似合うオシャレな白髪のムッシュなどがカフェの時間を楽しんでいる。パリはメトロポリタンな街だから、その住人と言っても、自分も含めて、色々な人種の人達が入り混ざっていて面白い。

3ヶ月もの間扉を閉ざしていたので、久々の接客が嬉しい様子で、いつもはよそ者相手に少しスノッブな態度のギャルソン達も今日は愛想が良い。マスクをしているので、表情と言えば目だけがものを言うのだけれど、青い目あり茶色い目あり、フランス人の目は表情豊かだ。

いつもは、飲み物をたくさん載せた丸いトレーを片手に、長い白いタブリエ (エプロン) の裾をパタパタはためかせ、よく磨かれた黒い革靴の底をカツカツいわせて忙しそうにホールを行ったり来たり闊歩する彼らだけれど、今日はのんびりと、注文のついでにお客とお喋りしたりしている。ツーリストがいない分、なんとなく内輪同士の感覚なのだ。

 

私にとっては、夕ご飯の支度の前にホッと一息つくひと時。家族に食事をサーブする前に、こうやって誰かにカフェを淹れてもらうのは、ささやかな幸せだ。