Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Après la neige

今年はよく雪が降る。

 

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おとといと昨日の間の夜にも音もなくひと降りして、一夜明けるとうっすら銀世界だった。

雪が珍しい息子だ。水曜は授業が午前中だけなので、午後は雪の積もった公園の冬景色を見せようとせっかく連れ出したのに、近所の公園に着いてみると入り口が閉鎖されていた。赤と白のストライプのテープがバッテンに貼り付けられて通せん坊している。キケンだと言いたいのだろうか。確かに入り口の緩い坂道は滑りやすそうだ。逆に言うとソリ遊びができそうなのに。雪の積もった原っぱの土の上を、子供達に踏み付けられて泥だらけにされたくないのだろうか。ひどくがっかりだ。なんでも、それは危ないですよ、これはいけませんよ、と制してばかりいる過保護な都会派ママンの子供になった気分だ。

息子を連れて田舎に行きたいなと思った。雪の積もった森はさぞかし美しいだろう。

 

これ以上自分の手には負えそうにないと思う事があって、できる事はすべてやっているつもりなのに、人の目にはそうは映らず責められたりして、一体これ以上どうしろと言うのだろう?とため息をついたりした。結論から言うと、どうしようもならないのなら、きっとそれはもう忘れるしかないのだろうと思う。例えほんの一時でも忘れる事で、例えその悩みが依然解決されなくとも、その存在は少し軽くなる。ほんの一瞬でもすっかり忘れることのできる回数が多ければ多いほど、きっとそれはどんどん軽くなっていく。

 

だから散歩をしていて美しい花に見惚れたり、きれいな景色に心を奪われたりするのは、どれも差し伸べられた小さな救いの手なのだ。そういうものに日々囲まれて暮らしていれば、心が健康でいられるだろうと思う。