Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Thé à la mauve

例によって、1日の終わりのお遊び。

 

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モーヴ (葵) の花のお茶というのを初めて淹れてみた。

ティーポットに熱湯を注いだ途端、一瞬ドキッとするような、とても自然の色とは思えないほどミステリアスな青になる。それからその色がみるみる醒めて、優しい紫を通り越し、仕舞いには緑がかったグレーのような渋い色に落ち着いた。あの青は幻覚だったのだろうか?と、狐につままれたような気分にさせられる魔法のハーブティーだ。そういえばモーヴ色と言えば薄紫色の事を指すけれど、紫というのはいかにも秘密を秘めていそうな色だなと思う。

 

木曜から連休に入るので、ここ数日ずっと空模様を窺っていた。予報では今週一杯毎日雨マークだけれど、実際には日に一、二度パーッと短時間に集中して降るくらいで、後はなんとか持ち堪えている。私が海辺に行きたいの、晴れ女だのと言いふらしたばっかりに、降るに降れなくなった空がまるで雨を我慢しているみたいだ。

ところが、せっかく空は持ち堪えているというのに、我がアパルトマンの居間の雨漏りのほうが久々に再開し、どうした訳か止まなくなってしまった。外はお天気、居間は雨降り。点検に呼んだ専門家は、待てど暮らせど一向に来ない。やれやれだ。

そんなこんなもあって、ノルマンディーの海への小旅行は、裸足で砂浜を歩いて心地の良い季節に持ち越すことにした。

 

その代わりに、来る連休はとある友人をお茶に迎える。パリの夫婦の実に半分は離婚すると言うけれど、まさにその半分になろうとしている良き友が相談に来る。色々と話すことがありそうだ。

きっと、恋愛ほど頼りにならないものはない。ひっくり返った恋愛などは特に始末に負えない。いざと言う時に支えになるのは、絶対的に友愛のほうだと思う。逆に言うと、これくらいの年齢の大人になったからこそ、異性相手にも、恋だの何だのに転ぶ危険のない友情が上手に育めるようになってきた気がする。

つくづく、大人になってみるものだ。