Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Oh là là !

気まぐれな天気が続く。


f:id:Mihoy:20210522082533j:image

 

一体いつからパリの空は日本の梅雨を真似るようになったのかしら?と思うくらい。

 

午後、近所に買い物に出た。

スーパーに入るまではピカピカに晴れていたのに、買い物を済ませて帰ろうとすると、外はどしゃ降り。ほんの少し雨宿りしたくらいでは止みそうにない。

のんびり帰る訳にはいかない用事があった上に、パリパリの焼き立てバゲットを濡らしたくはなかったので、仕方なく店内に戻って19ユーロもする透明傘を迷った末に買った。ところが、もう一度出口へ行くと、さっきの豪雨はもう止んでいるではないか。なぁんだ。

 

フランスは傘の値段が高い。すぐに壊れる脆弱な傘でさえ、一端の値段で売られている。その上、モードの国だというのになぜかデザインも今ひとつ。

だいたい、フランス人は滅多に傘をささない。邪魔だと言って持ち歩くのを嫌うし、さしたとしても、例えばお洒落な装いのマダムが、傘はと言えば骨の折れた心許ないものを頭上でヒラヒラさせていたりする。

 

お隣の国イギリスでは紳士達がこうもり傘をステッキ代わりに携えているというのに、なぜこの国の傘はそんなに邪険に扱われるのかと言うと、なんのことはない。空気が非常に乾燥しているからだ。少し雨に濡れたくらいでは、髪も服もあっという間に乾いてしまう。イギリス人がゴースト好きで、フランス人がファントム(お化け)を信じないのも、同じ理由からだ。フランスではオバケも干からびてしまうのだ。可哀そうに。

 

そういえば、息子が通っていた小学校では、校則に「傘の持ち込み禁止」とあって驚いたものだ。尖っているので危ないということか。もっとも、この国のお嬢ちゃまお坊ちゃま方は行きも帰りもお出迎えが必要なので、傘はママンかシッターさんが持てばよいということなのだろう。どしゃ降りの寒い冬の日、息子を校門まで見送って、門の向こうの校庭を傘もささずに横切っていく小さな後ろ姿を見守りながら、リベルテを愛する国フランスに不思議な校則があるもんだ と首を傾げたものだ。

 

我が家は現在、アパルトマンの中もぴちゃぴちゃ雨が降っている。最近の雨で天井の雨漏りが激しくなってしまった。なにしろ建物が古いので、味がある代わりに、こういった不利な点も漏れなく(雨漏りはする癖に) オマケに (オバケではなく) 付いてくる。バケツに落ちる軽快な雨漏りのリズムに合わせて、息子は愉快そうに変テコなダンスを踊っている。体を左右に揺らして、調子外れのメトロノームみたいに。

 

数ヶ月待った末に調査の人がやっとこさ捕まって、天井に大きな穴を開けて中を覗いたかと思ったら、修理は自分たちの仕事ではないと言って帰って行った。仕方なく、評判のいいプロンビエ(水道管工事屋) をようやく見付けたと思ったら、調査屋の原因追求が曖昧なので、修理に取り掛かれないと言う。それで、アパルトマンの管理を委託している会社に電話をすると、担当のマダムは火曜までミニヴァカンスを取っていると言う。

フランス語には、まさにこう言う時にピッタリな感嘆詞がある。

みなさんどうぞご一緒に、Oh là là !!