Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Le début de la fin

晩夏のパリ

 

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南仏からパリに戻り、一番最初に電話をくれたのは、同郷の友ユキさんだった。図書館の下で会おうと約束して、夕方のひと時、夏休みの報告をし合った。

 

子供達は親戚の家に泊まりに行ったので、8月の一ヶ月間、彼女はフリーな時間を得ていた。自由の身を満喫しているのかと思えば、昼間は仕事をしているのにも関わらず、家に帰ると時間を持て余していると言う。

 

「空の巣症候群」という言葉を初めて聞いた。子供がやっと独り立ちしたと思ったら、家が急にがらんどうに感じられて、日々すっかりやるせなくなってしまう事を指すらしい。

ふーん、私もそんな風に思うのかしらん?と想像した。いや、世話上手なユキさんはともかく、私はそういうタイプではないだろうな という気がしている。今はまだベッタリの母子だけれど、密な時間を充分過ごした分、時が来たら、しっかり飽和状態になって次のステップに移れそうな気がする。それに、読む、書く、作るといったライフワークもあるのだから。

 

子育てがもう一段落したら、そのうち彼女は猫を飼おうと思っているらしい。

その気持ちはよく分かる。私は、時間の速度が人間と違う動物を飼う勇気はないけれど、息子がもっと大きくなって、頭を撫でたりハグをしたりできなくなったら、今度は誰を可愛がればいいのだろう?と最近ふと思ったりした。

 

久々に息子の姿を見て、ユキさんは「背が伸びたね!」と驚いていた。まだまだチビ助だけれど、それでも確実に彼なりの成長期を迎えている。難しい思春期だって、きっともうすぐだ。

 

思春期が複雑なのは、親にはもう以前のようにジャレついて甘えられず、だからと言って恋人ができる歳にはまだ届かず、手を繋いだり、肩を寄せたり、スキンシップを取るのに適当な相手が見つかり辛い時期だからではないかしら?と思ったりする。

可愛がれるうちに、たっぷり可愛がっておこう と思うこの頃だ。