Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Ma collection

近況

 

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友達とバスに乗って古本を売りに行った。

彼女は現在、人生の整理整頓をする時期にいる。取り敢えず、身辺の「モノ」の整理から手を付けるのが理に叶っているので、必要最低限のもの以外は手放す作業に勤しんでいる。そこへ私も便乗させてもらうことにした。

 

バスが狭いボナパルト通りをゆっくり進んでいた時、彼女からこんな言葉を教わった。

「自分を学ぶのが人生」

敬愛する社会心理学者のテーゼだと言う。

なるほどね、まったくその通りだ と思った。ちょうど車窓から目に入ったアートギャラリーのウィンドウの数々とともに、その言葉は心に残った。

La vie est une quête

La vie est une chasse aux trésor 

人生は探求。人生は宝探し。

そして、「人生は自分探し」。きっとそういう事なんだろうな。

友人の言葉も、私のコレクションの一つに加えさせてもらおうと思った。

ワクチンパスポートを所持しない私は、カフェにもシネマにも入れないけれど、パリを縦断するバスは車窓からの風景が一遍の映画のようで、外は小雨でも車内のシートは温かく、石畳の上を走る振動が軽い眠気を誘い、友と肩を並べ、心地よい移動映画館に居るようだった。またバスツアーを考案してお喋りしようね と笑った。

 

 

ベッド数の足りない病院から追い出されるように退院した父と、電話越しに少し話した。

「お金のために仕事はするな」

父にとっての孫、すなわち、私の息子の遠い将来について話している時の父の発言。それは、直接言葉にして伝えられた記憶こそないけれど、父のみならず、生前の母の一貫した教育理念でもあったように思う。

 

 

偶然か否か、現在私の周囲には、重要な決断を迫られていたり、試練の時を迎えていたり、動乱の時期にある人たちが多い。気の合う者同志、ちょうど一斉に一皮剥けるタイミングなのかも知れない。

不安に陥ることもあれば、途方にくれることも、答えが見つからないこともあるだろうけれど、結局目指すところは、何があっても幸せでいることなんだろうなと思う。不幸せなんて簡単すぎる。ただ落っことせばいいのだから、不幸せは芸がない。それに比べて、能天気な幸せは、もっとずっと高尚だ。

 

Tout ce qui ne me tue pas me rends plus fort

殺されない限り、試練は全て糧である

 

これは、しばらく前にラジオから流れて拾った言葉。ちなみに、友人キャロリーヌの恋人の体には、この言葉のタトゥーがひっそり刻まれているそうだ。

 

 

私について言えば、ずっと長い間不明瞭だった事柄が明らかになり、最近ようやく新しい段階に入った。

ひと山越え、ふた山越え、

なにがあっても、前進あるのみ!