Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Pensée du dimanche matin

ピカピカに晴れた日曜日。

 

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その上、息子は2週間のヴァカンスの真っ只中。

こんなに素晴らしくお天気だというのに、パパ似の彼は朝っぱらから長々とテレビにしがみ付こうとする。私の目には、人生の無駄遣いをしているようにしか映らない。表の世界のリアルな美しさに目もくれず、画面にへばり付いているなんて!嘆かわしいことこの上ない。

 

半ば引きずるように外に連れ出し、金魚のフンよろしく後ろに従えて近所の公園を闊歩し、飽き足らずに更に少し遠くの公園まで足を伸ばした。その間、息子はずっと寒いのつまらないのとベソをかきっぱなし。情け無いことこの上ない。泣き言を言えば言うほど遠くに連れて行きますからね!と強気の私。そう言いながらも、まだ付いて来てくれるだけ可愛いもんだ と、実は密かにほくそ笑んでいたり。

 

帰り道に、友人エドウィッジにバッタリ会った。久々だ。ちょうど会いたいと思っていたところだったので、まさに願ったり叶ったり。一家揃って教会のミサに行く彼女達と、途中まで道を共にした。

 

ワクチンパスポートの賛否が話題になった後、不意にエドウィッジが「世界戦争になると思う?」と、こちらの横顔を伺うように訊ねてきた。明るい青い目が心配そうな色味を帯びている。「分からない」と答える代わりに、「なって欲しくない」と答えた。

実は事情にまだあまり詳しくないのだと白状すると、知っている知識を掻い摘んで披露してくれた。政治問題も社会問題も、知ったかぶりをしてメディアの報じる蘊蓄をそのまま並べたりせず、あくまで自分個人の観点から素直なコメントをするエドウィッジの在り方が私は好きだ。

「それにしても、プーチンは、ああいった生き方をしていて幸せなのかしら?」と呟くので、「何を幸せと呼ぶかは人によって違うんだと思う」と私も呟き返した。要はここでも「お金」が災いを呼んでいるに違いないと話した。

 

私達が「戦争を仕掛ける人達の気が知れない」と言ったら、人によっては、「それは政治の複雑さを理解していないからだ」と苦笑するかもしれない。でも、そんなフクザツなセージなぞ犬にでもくれてしまえ!と思う。子供達の未来を単純に懸念するママン達に世界を委ねたならば、この世は今よりよっぽど平和に違いない。

 

昨日、友人ユリさんと近所で立ち話になった時も、やっぱりウクライナの話になった。

飛行機がロシアの上空を飛べないので、日本が更に遠のくという話だ。そんな事までは考えていなかった。溜め息だ。

 

1人を助けることはみんなを救うこと。

これは年末に息子を連れて観た映画「スパイダーマン」の中にあった言葉。私ひとりに出来ることなんて、あまりにもささやか過ぎる と思っていた物の見方を根本的に変えてくれた。

1人の母として、ささやかにして重大な「子育て」というミッションに日々心砕いていることが、どこかで世界の救いに繋がってくれたらいいのにな と思ったりしている。

 

たった1人をも救う気のなさそうな人間が、世界を牛耳っていることへの不安。強かろう良かろうの男性性優勢の世界から、慈しみによる母性優位の世界へ、いつか世の中が変わってくれることを願って止まない。