Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Mars, dieu des combats

早くも3月

 

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ちょうど一週間前に買ったナランキュラスが、寒さのせいで長持ちしている。ひらひらの花びらがいっぱい。見目麗しい。

 

毎日書き留めておきたいことがたくさんあるのに、それを言葉に変換している暇がない。

毎日起きて、一日3回台所に立ち、買い物片付け子供の世話、その合間を埋める取るに足りない雑用の数々。一晩寝て起きて、次の日もまた同じ繰り返し。判を押したような日々ってこういう事を言うのね と、ある朝目覚めて天井を見ながら思った。自分がそういう日々の過ごし方をしているなんて、なんだか悔しい。

生活するって大変だ。家事はいくらやっても積み重ねにならないから嫌い。

ママンって大変だ。自分の子供の面倒を見るのは、いくらシャカリキにやっても仕事とは見做されない。本を読む時間もない。

同じ屋根の下に暮らす家族のためではなく、他所で人様の役に立つことをするのが「仕事」と見做される世の中は、ひとえに資本主義と呼ばれるお金にこそ価値の見い出されるシステムのせいなんだろうな。

 

フラストレーションからか、なかなか去らない冬の寒さのせいか、異常に食欲があるこの頃。こう寒くては、食べて自家発電するしかない と自分に言い訳して、昨日は食後のデザートにフランボワーズのロールケーキを2つと (一つは夫用に買っておいたにも関わらず)、特大パンオショコラをひとつ、いっぺんに平らげた。最近は甘党でなくなった筈なのに。

近所に新しくできたブーランジェリーのウィンドウに、セクシーなガトーがいっぱい並んでいるからいけないのだ。グレーの季節はこういう誘惑に抗えない。

かわいい女の子達に囲まれて、思わず鼻の下が伸びて右に左にちょっかい出したくなる男の子の気持ちって、きっとこんな風なんだろうなぁなんて想像しながら、バゲットだけ買う予定だったのに、艶々でお色気たっぷりな林檎タルトや、黄色いカスタードクリームのはみ出した思わせぶりなミルフィーユなんかにすっかり目を奪われ、気付くといくつも注文していたりする。まるで催眠術にでもかかったように。

 

さて、

最近起こった大小様々な出来事の中で、特筆すべきは、なんと言っても先週末の息子のイニシエーションだろう。

過ぎたる2週間の冬休み中、あまりにも動かない息子に呆れ果て、疲れ果てて、「ねえねえ、一度くらい率先してお手伝いとかママンの喜びそうなことをしてくれてもいいんじゃないの?」と大いに憤慨したところ、洗濯機から洗い立ての洗濯物をカゴに取り出して持って来た。それだけのことだけれど、自主的にやったのは初めて。小言を言ってはみたけれど、全く期待はしていなかったので目を丸くした。

少し大袈裟に褒めたところ、翌日の朝、目覚めると枕元に茶色いバナナスムージーが置いてあった。チョコレートムースと見紛うその色は、シナモンをどっさり入れたせいらしい。飾りに付けた輪切りのバナナがいかにもぶきっちょで、可笑しいやら可愛らしいやら。

好評に応えて、その翌日の朝は苺とバナナのスムージーが置いてあった。涼しげなミント水も添えて。本当は温かい朝ごはんが欲しかったのだけれど、勿論そんな野暮なことは言わない。苺はちゃんと洗ったのかしら?と思ったけれど、それも言わない。感謝して胃袋に収めた。

ごちそうさまでした。

 

まったく、ものは要求してみるものだ!

望めよ さらば与えられん

 

 

それにしても、くだらない雑事だけでエネルギーを消耗してしまう日々が続いた。私らしくない。

奮闘せよ!さらば得られん