Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Free as a bird

昨晩、ノルマンディーからパリに舞い戻った。

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3日間の小旅行だったけれど、肌は海辺の日差しをまだ記憶しているし、足の裏はクリーム色の砂浜の感触を覚えている。

魂を海辺に残したまま、体だけ先にとっとと帰って来てしまった感じだ。旅の後、急行列車や飛行機で道草もせず一直線に戻ってくると、よくそんな風に感じる。文明の力のもたらしたスピードに体は乗っていても、心が間に合っていない。

 

鳥はいいなぁ。鞄も持たず、乗り物にも頼らず、気の向くまま行きたいところに行けるんだから。

 

学生の頃に仲良しだった男友達に、方向感覚の研ぎ澄まされた人がいた。どういう仕組みなのか聞いたら、鳥になって俯瞰しているのだと言う。空を飛ぶ夢もよく見るのだとか。

Five elements と言うけれど、彼はまさに風とか空とか、空気感のあるエレメントが似合う人だった。それに比べて私は、木とか花とか、土から離れられないものにより親近感を覚える性質だ。だから私は方向感覚が無いのかもしれないと思った。

植物は概して移動を嫌う。環境に慣れて根を張る時間が必要だから。それで、不本意に体が大きな移動をする度に、私の心はデカラージュ (décalage / ズレ、時差) を感じるのかも知れない。