Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-01-01 to 1 year

Saison violette

外は長雨。今度こそ、すっかり秋。 家に帰って買い物籠を降ろし、中から野菜くだものを取り出して、表の長雨よろしく流しでみんな洗ってしまう。 いちじく、黒ぶどう、茄子。紫の季節。 この深い色は、夏の間お日様をいっぱい浴びた証拠なのだ。太陽の光は、…

28 jours avec Papa ?

世の中に心配な事はたくさんあれど、それでもきっと人間社会はいい方向に向かっているのだと思う。 昨晩、食器を洗いながらラジオを聞いていたら、フランスの congé paternité (コンジェ・パテルニテ / 父親の産休) が28日間に伸びるというニュースが耳に入…

A la manière de Chagall

息子の新学期は私もつられて何かと忙しい。 大した事は何もしていないのだけれど、細々としたことに気を取られているうちに時間が過ぎて、9月と言うのはいつも、あって無いようなジャムサンドウィッチの中身みたいな月だ。差し抜きならない要の月だけれど、…

Arrivé de deux Bourraches

久し振りに雨が降り、 バルコニーにはボリジが咲いた。 ふたり静かに。 心嬉し。

Qui a enlevé ma fleur ?

カボチャの花 後日談 我が家に一輪だけ咲いたカボチャの花。昨日バルコニーに出てみるとそれが見当たらない。 萎れて葉陰に隠れてしまったかな? 葉っぱの下を覗いてみても見付からない。 影も形もない。 黄色の「き」の字もない。 あれはまぼろしだったのか…

Les écumes du jour

過ぎたばかりの日曜の昼のこと。 クラムボンは笑ったよ 夫が台所で、大きな鍋に二匹の蟹を茹でている。Tourteau (トゥート) という名前の大き過ぎず小さ過ぎずの蟹で、辞書によると、日本語ではイチョウガニと呼ぶらしい。二匹は頭と頭を付き合わせ、鍋の底…

Fleur de citrouille

お寺の和尚さんではありませんが、カボチャの種を播きました。 確か6月あたりのことでした。 8月の3週間のヴァカンスから戻ると、堂々とした芽が出て、うちわのような大きなまぁるい葉っぱが付いていました。 そして昨日の朝、縁がヒラヒラした薄い玉子焼き…

Le Japon à Paris

今日はちょっとジャポンな日だった。 カーテンをしつらえるのに布地屋に行ったら、鯉のぼりの模様の布があった。なかなか斬新な色遣い。息子の部屋のカーテンを作り直すことがあったら、これを選ぼうかしら。 行きつけのスーパーで買い物していたら、胸に大…

Flâneuse de Paris matinal

パリの街歩きはやっぱり楽しい。 客室のカーテンを縫わなくてはならないので、息子を学校に送った足で、布地屋の多い18区まで出掛けた。この頃この界隈に縁がある。 モンマルトル寺院の袂の小高い丘。その坂道には、ありとあらゆる店が所狭しと軒を連ねてい…

Double vie

とても久し振りにサミアに会った。 サミアは、モンマルトル寺院の近くに住んでいた頃の仲間の1人だ。 夕方、モンパルナス駅に近い約束のレストランの前で、雑踏の中、両手で自転車のハンドルを押さえ、白いシャツに身を包んですくっと立っているサミアの姿が…

Papa asiatique

日曜の午後は、息子の友達 L君が遊びに来た。 本当は彼のママンも一緒に来てお茶をする予定だったのが、体調が優れず来れなくなってしまった。土曜に血液検査を受けたところ、ヘモグロビン値が異常に低かったので大きな病院で再検査することになったのだとか…

Montmartre, notre quartier

週末に、昔、夫と私が住んでいたモンマルトルのあたりに観劇に出かけた。 パリの北の方、18区の辺りには、結婚して子供ができてからほとんど足を運んでいなかった。理由は、今住んでいるカルチエとちょうど反対方向であるのと、特に用事がなかったからだ。庶…

Pas grandes choses mais...

1日の終わりに これといった出来事のない今日の日のあれこれ 昨晩、洗濯物を畳みながらラジオを聞いていたら、フランスの風水の第一人者を名乗る女性のトークが流れた。風水といえば、私は日本にちょっとした専門家の素敵な友人がいる。フランス人の風水専門…

La confession

フランスに「秋晴れ」という言葉はないと書いたばかりだけれど、ここのところ晴れの日が続いている。 まぁ、私は晴れ女ですから と、誰にということもなく、恩付けがましく思ってみたりする。でも本当のことだ。 息子の学校の新学期が始まり、夫も仕事に行き…

Retour à Paris automnal

パリの夏は、ある日唐突にドアをパタンと閉じて去ってしまう。振り返りもせず、後ろ髪引かれることもなく。 夏休みも残すところ3日という日、南仏を後にそんなパリに戻った。 3週間の滞在中、南仏ではとうとう一度も雨が降らなかったけれど、車でパリに北上…

Cuisiner pour ne pas cuisiner

手抜き料理について 料理が好きだと言うと、こっち (フランス) でもあっち (日本) でも、決まって「どんなものを作るの?」と聞かれる。そうすると、いつも返事に窮してしまう。 日本では、こちらが次の句を継がないうちに、「わぁ、いつもフランス料理作っ…

Une pensée à la plage

黄昏時の海辺にて 南仏に来てからというもの、本を一冊も読んでいない。南仏どころか、読書の旅と決めた7月のノルマンディー小旅行を例外として、夏休み中は一冊どころか1ページだって読めていない。 夕暮れ時の海辺で、久々に昔読んだ村上春樹をめくってみ…

La vaisselle

息子の皿洗い 朝食で使った食器を洗わないと、お昼ご飯は出ない という法則を作った。 ヴァカンス中は、プチデジュネに自分で使った食器くらい片付けるべきだ と、優しく一度言っても聞かず、2度目に勧告しても耳に入らず、3度目に声を荒げても馬耳東風。ク…

Les vacances à ne rien faire

南仏便り 散歩の収穫。イチジクと桑の実。 財布も持たず、まったくの手ぶらで出かけて、道々おやつを収穫して帰る喜びといったら。 道の右手はオリーブの林、左手はイチジク畑。それが延々と続いている。人とはあまりすれ違わない。太陽は燦燦。蝉はジージー…

Mes impressions

マルセイユの印象 郷土料理のブイヤベースは魚のごった煮。その街も負けじと、南の強烈な太陽の元でぐつぐつと沸き返る人のごった煮。まさに、あれこれ放り込んだお鍋の中のような人間模様だ。 夜の港を歩いてみたら、ものすごい人出で目が回りそうになった…

La vie des autres

マルセイユでの3泊はアパルトマンを借りた。 ぜんぜん知らない人の生活を垣間見る宿だ。 鍵を渡すために待っていたのは、アパートの住人ではなく別の男性だった。私達と同年齢くらいだろうか。日に焼けて筋骨たくましく、長身、短髪、腕には流行りのタトゥー…

Marseille

マルセイユに到着。 古代ギリシャ時代にマッシリアという名ですでに栄えていた港町。近くまで来ることはあっても、いつもなんとなく通り過ぎていた町。至って気取らない町。人種のるつぼ。 ひょんなご縁から、ここで数日を過ごすこととなった。 Bonjour Mars…

Sur le pont d’Avignon

パリから車で6時間ひた走り、夜中の2時に南仏に到着した。 まずはアヴィニヨンに一泊宿を取る。 ここは14世紀からキリスト教の長である教皇が住んでいた町。その宮殿が見事な美しい城下街だ。いわゆる「ローマ教皇」が、ローマではなくて一時期フランスに住…

Le départ

旅の準備にはいつも時間がかかる。 よく夫婦喧嘩になるのも旅の直前だ。 20分もあれば準備完了する夫に対して、私は2日くらい前からあれやこれやと要領悪く忙しい。 パリはここのところ40度近い猛暑が続く。せっかくバルコニーに芽を出したオレンジやマンゴ…

Une question existentielle

ここ数日、人と会うことが続いた。 今日は、陰ながら応援している文化プロジェクトの一環で、年齢も性別もシチュエーションも違う人達と会って話す機会を得た。中心となる女性アーチストを除いては、私にとっては全員初対面の顔触れ。 よく晴れたパレ・ロワ…

En préparant les poivrons

我らがアパルトマンの隣には、社交好きなアメリカ人女性が住んでいる。 今夜も、バルコニーのテーブルで賑やかにディネ (dîner/ ディナー) を楽しんでいる音が聞こえてくる。招待客は、彼女と同年代、すなわち私達と同年代くらいの男女数人である様子。どう…

La Défense

これもパリの一風景。 パリの西の最果てのラ・デファンスは、東京でいうところの新宿のような場所。ロマンチックなオスマン様式の建物などは見当たらず、ピカピカのガラス張り高層ビルが立ち並ぶオフィス街。 この、普段はまったく縁のない場所に、夏休みの…

Un lieu à soi

本屋に行った。 息子用に注文していた本が届いたので、それを取りに行ったのだけれど、近所にあるこの行きつけの書店はいつも魅力的な本が並んで手招きしていて、一度入るとそう簡単には出られない。小さなラビリンスだ。だいたい、手ぶらで出てこられた試し…

Un voyage dans le temps

川のある街が好きだ。 街の喧騒をよそに、その真ん中をセーヌ川はとうとうと流れる。 息子を連れて河岸をそぞろ歩き、時々止まっては川を眺めながら一休み。ここからは、マリーアントワネットをはじめ、革命時代に王族が幽閉された灰色のコンシエルジュが見…

La chèvre de Monsieur Seguin

待ち合わせ場所に先に着いたキャロリーヌは、ブーケを抱えて立っていた。 庭で摘んだの!と、それを差し出す。あなたたち2人に、と。 お決まりの仲良し3人で夜の集会。私とユキさんは牧歌的な可愛らしいブーケのお礼を言い、しばらくそれを愛で、それから3人…