Ma boîte à bijoux 日々のビジュー

パリでの日々、思ったこと

Entries from 2020-01-01 to 1 year

Musée de l’air et de l’espace

飛行機博物館という所に足を運んでみた。 飛行場の近くにあるその博物館は、アール・デコ調の建物と広大な敷地内に、年代を追って数あまたの飛行機を展示している。壮大な量だ。決して子供騙しではない。 18世期に初めて気球を飛ばすのに成功したのはフラン…

L’été de Totoro

息子の夏休みは、動の日と静の日を交互に組むようにしている。 だから、ミュゼに連れて行った翌日は静の日。特別な事はせず、おうちで過ごす。なんなら家で映画を見る日にしてもいいよと言うと、久しぶりにトトロが観たいと言うので、そうすることにした。 …

Pompéi à Paris

息子を連れてポンペイ展へ。 西暦79年に火山灰に埋もれたこの古代都市の発掘は、実は今だに続けられていて、最近また新たなる発見があったのだとか。例えば、噴火が起こったのは8月とみなされていたが、実は10月であったらしいことが最近明らかになった。当…

Le 14 juillet à Paris

今日はル・キャトーズ・ジュイエ。 日本語で言うところのパリ祭。もしくは、フランス革命記念日。多くのフランス人にとって、夏のヴァカンスのスタートを切る指標となる祝日。 毎年この時期は日本に帰省していたので、今回は息子にとって初めて本国フランス…

Baba au Calvados

ババという名のお菓子がある。 キノコ型のスポンジケーキのようなものを、リキュールやラム酒など燃えるようにアルコール度の高いお酒に浸した、見た目は至ってシンプル、味はこの上なく大人な、しっとりとしたお菓子である。 先日、我が家に来客があった。 …

Taille de guêpe

旅の余韻 その3 ひと昔前のご婦人方は、こんな風におめかしして Trouville の海辺を散歩していたようだ。19世紀後半から20世紀初頭の話だ。なんと優雅な!この時代の人々のエレガントな装いには、いつも感嘆させられる。 鉄道が敷かれ、遠くに移動する足が整…

Pont l’évêque

旅の余韻 その2 私達の乗車したパリ発ノルマンディー行き列車は、お目当ての Trouville に着く途中、数カ所で停車した。その一つにポン・レヴェック駅 (Pont l'évêque) がある。同じ車両に、夏休みのお孫さんを連れた年配のマダムが乗っていて、金髪の活発そ…

Les repas normands ?

旅の余韻 その1 普通、ノルマンディーの海辺と言ったら、食事は海の幸を選ぶのが正解。ずっと以前に足を運んだ時は、私も牡蠣を注文したものだ。ところが、今回は少し勝手が違う。私のプチ・プランスは魚介類をお召し上がりにならないのだ。 どちらにしても…

Free as a bird

昨晩、ノルマンディーからパリに舞い戻った。 3日間の小旅行だったけれど、肌は海辺の日差しをまだ記憶しているし、足の裏はクリーム色の砂浜の感触を覚えている。 魂を海辺に残したまま、体だけ先にとっとと帰って来てしまった感じだ。旅の後、急行列車や飛…

Les coquillages

子供の頃からとても心惹かれるものに、貝がある。 海辺できれいな貝を拾って過ごすのが好きだ。読書にも似ていて、没頭するとすっかり時間を忘れる。内側が桃色だったり、うす紫色だったりする小さな貝を、日がな一日探して歩いて退屈しない。それどころか、…

L’itinéraire

この海辺の町まで来た経緯を少々。 それは、ロックダウンが明け、更に数日後、100Km以上の移動がようやく許可された日のこと。海に行こうと閃いた。息子を連れて、裸足で海辺を歩きに行こう、と。 とっさに頭に浮かんだのは、昔、今の夫とまだ恋人だった頃に…

Normandie

息子と2人で海に来ている。 潮の香り、カモメの鳴き声。 風は涼しく、太陽は暖か。海は穏やか。 息子は私の傍で砂の城を作っている。私はヴァージニアウルフの本を広げる。「波」という題名だ。数行読んだところで息子の「ママ見て!」で注意が逸れる。そし…

Bienvenue au manoir

数日前のことだけれど、友人キャロリーヌの館に仲良し3人組が集まり、お茶を頂いた。 私がふざけて館 (やかた) と呼ぶのは、彼女の家が味のある古い一軒家で、さらに、彼女が本来であればマルキーズ (伯爵夫人) と号の付く由緒ある家系出身の淑女だからある…

Le carnet de Monsieur D.

今日は息子の学校の今年度最後の登校日。 毎年、最後の授業の日は担任の先生にささやかなカドー (cadeau / プレゼント) を贈ることにしているのだけれど、学級閉鎖や隔日登校といった変則的な状況が続いた今年は、そんな準備もすっかり忘れていた。ところが…

Le bataille des dames

日曜の市長選でパリの現女性市長、マダム・イダルゴが再選された。 先週末は、最終戦に残った3人の市長候補者のディベートがテレビで放映された。3人揃って女性。その上、意図してのことか、司会者も時々コメントを挟むジャーナリストも全て女性という華やか…

Après la messe

一変して涼しい日曜日。 近所の教会の前を通ると、人々がミサの後のお喋りに興じていた。こんないつもの日曜の光景が戻ってきたことに安堵する。集会はずっと禁じられていたから、いつもにも増して話が弾んでいる様子で賑やかだ。 ミサと言えばみんな家族総…

Green sleeves

緑にまつわるあれこれ。 もうすぐ始まるソルド (solde) に先駆けて、vente privée (ヴォント・プリべ / 顧客用先行セール) が始まったので、近所の店で家族と自分用にTシャツを数枚見繕う。家に帰ってそれを買い物袋から出して気が付いた。どれもすべてグリ…

L’éloge de la jupe

夏日の今日は久々に jupe (ジュップ / スカート) を履いてみた。 私にとってスカートは、 女性の履かんスカートなるものを 我も着てみむとて 履くなり という感じだ。いつの頃からか、すっかり縁遠いものの一つとなっている。 料理とお洒落は少し似ている。…

A partir du mardi soir

パリは昨日から気温が急に跳ね上がった。 今日の空は真っ青な快晴で、空気はさらっと乾燥していて、気温はほとんど体温と変わらない。そして、夜は22時を回るまで明るい。 近所に住む友人ギレンヌと夕方に子供連れで会おうと言い合ったはいいけれど、何時に…

Joyeux anniversaire à mon père

6月24日 今日は父の誕生日。 本当は今ごろフランスに居るはずだった父だけれど、件の騒動渦中で旅がキャンセルになってしまった。今年の誕生日は爽やかな初夏のフランスで、と思っていたのが、思惑が外れて結局は梅雨でしっとりの東京に居る。 昔は、人生計…

Bonne fête, papa

日曜は夏至の日だった。 そして日本もフランスも父の日 (fête des pères) であった。 息子は、冷えたビールにおつまみとメッセージカードを添えてパパにおやつを供した。パパは目尻をうんと下げていた。 私は、日本の父に美味しい味噌を送った。連絡すると、…

Trop féminin ?

今日のおやつ。 息子にはちょっと女の子っぽ過ぎたかしらん。 でも、苺という果物が可愛らしいのはママンのせいではありません。 それにしても、果物をあまり食べない男の人が多いのはなぜだろう。息子は今のところ例外だけれど。その調子で、将来フェミニス…

Mon cher piano

飴色のピアノのためのレクイエム 最近になって、息子がようやくクラシック音楽を受け入れてくれるようになったので、子供の頃に私の両親がよく聴いていたモーツアルトのピアノ曲を時々流す。 今日はアパルトマンの庭の剪定の低い機械音が耳障りだったので、…

Dans un café sans touristes

夕方、サンジェルマンデプレに用事があり、ついでに老舗カフェで一休み。 いつもは大勢の観光客で賑わう場所だけれど、現在パリはパリジャンパリジェンヌのもの。それも悪くない。清潔感のある白いワイシャツを開襟にして、その上にラフなジャケットを羽織っ…

Une révolution dans l’armoire

もう決めた。そして簡単に撤回できないよう、ここに宣言しておこう。 過ぎたばかりの先週はまったく公園三昧の日々だった。息子の学校が一日置きにしかないので、体を持て余している彼を動かす必要があったのと、久々に公園が開放されたのと、初夏に向かって…

Les jardins à la française

たまにはベルサイユ宮殿の庭に行こうということになった。 何もない日曜の午後の我が家では、「どうする?どこに行く?」と言い合うのが常で、概して息子は無謀なプランを出すので却下され、夫はどこでもいい派で、大抵は私が何か適当な案を出すことになるの…

Les trois pions solitaires

私達は3人とも転機を迎えているのだと思う。 久々に、仲良し3人組で夜のカフェテラスに集った。前回この顔ぶれで集まったのは確かロックダウンの前、2月の終わり頃。 久々に話たいこと聞きたいことが山とあるの私達なので、席に着いた途端、メニューに目を通…

Tout ce qui est petit est...

人は見た目に惑わされるものらしい。 黄桃のような色合いのバラを見た。 顔を近付けると、甘酸っぱい杏のような、爽やかなレモンシャーベットのような、そんな香りがした。もちろん、そんな筈はないのだけれど。 いつもの散歩より少し先まで足を伸ばしたとこ…

Je suis une collectionneuse

どんどん増えるタネ集めについて。 パンデミック騒動と過ぎ去りしお篭り生活がキッカケとなって、私は、日常生活単位でこの世への眼差しが変わってきた。 どういう経緯なのか話すと長いので端折るけれど、この頃、たとえば果物を食べたり野菜を切ったりして…

La surprise

今日はフランスの 母の日。 2、3日前、息子が台所に来て言った。 次の日曜は何の日か知ってる? 知らないと答えると、嬉しそうに 「フェット・デ・メール (fête des mères / 母の日) だよ!ぼくはね、パパと一緒にママのプチ・デジュネ (朝ごはん) を作って…